私はケアマネだけど…ケアマネを探す女性に「担当します」と即答できない理由<実録マンガの舞台裏>
現役ケアマネジャーによる人気漫画
介護職13年の現役ケアマネジャーへもが、周囲で起こるドタバタな日常をマンガにした『へもでもできるもん』。突然、病に倒れた江羅総太さん(67歳)は、「俺はエライ!」と豪語するパワハラ気質な人物。娘であるぶり子さん(37歳)は、そんな父が大嫌い。しかし何とか総太さんを担当してくれるケアマネを探そうと奔走していました。実は、へもとぶり子さんは交際中という間柄。ぶり子さんは「へもに担当になってほしい」と思いつつも言い出せなくて……。この時の様子を、作者のへもに聞きました。 【マンガ】本編を読む 恋人ぶり子を助けたいけれど、父は… 葛藤の末、へもが出した結論とは
【介護の現場では――】
ぶり子さんの話から、総太さんの威圧的な性格を知っていたへも。いつかはご挨拶をしようと思いつつも、本心では「絶対に会いたくない!(偉そうな人は苦手だ)」と思っていました。しかしケアマネが見つからずに困り果てているぶり子さんに、何とか助けてあげたいという気持ちもあって……。「う~ん、う~ん」と一人思い悩み、絞り出した一言は「俺が担当ケアマネになろうか?」でした。
――「絶対に会いたくない」とのことでしたが、その後、「恋人としてのご挨拶」はしたのでしょうか!?
いえ、ケアマネとしては会っていますが、まだ正体は明かしていません!
――全く気づかれないのですか?
全然感づかれていませんね。でも彼女の声のテンションが、僕と話すときだけ2トーンくらい上がるんです。それ不自然だよ!?とヒヤリとしています。
――「担当しようか」と腹をくくるまで、ずいぶん悩んだようですが
彼女からお父さんの横暴ぶりを聞いていただけに、すごく悩みました。引き受ける決断をしたときは、深いプールに飛び込むくらいの気持ちでしたね(笑)。
――ケアマネ不足の背景にはどんな原因があると思いますか
ケアマネは資格を取るのに何年もかかりますし、試験の合格率も年によっては10~20%程度と低いんです。傍目からは事務仕事と思われがちですが、利用者さんやご家族から気持ちをぶつけられることも多く、精神的負荷が大きい仕事でもあります。生半可な気持ちではできない仕事で続けるのも大変。そのあたりが原因かもしれませんね。 『へもでもできるもん』は、「なかまぁる」(朝日新聞社)のウェブサイトで連載中。