細胞の内部を鮮明に観察できる蛍光顕微鏡技術を開発 阪大など
シート照明を高分解な性質のもの(2光子ベッセルシートアクティベーション型)に変えるとより広い視野でピントが合いやすくなり、分解能は面で144.3ナノメートルと少し下がったが、奥行き293.4ナノメートルまで改善し、全体としての解像度は向上した。内部構造も鮮明に見られるようになった。 培養皿の底に着いて生存する2次元培養細胞よりも、複数の細胞からなるオルガノイドのような立体的な細胞組織は、生理学的により生物個体に近い挙動を示すため、天満助教は「生体発生や疾患の原因究明、生体の薬剤応答など幅広い分野の研究において関心を集める3Dの多細胞組織の詳細な空間分布を観察可能にできた。顕微観察技術の進展においてマイルストーンとなる」とする。蛍光タンパク質をタンパクにしか付けられず、観察できるものに限りがあるのが今後に向けての課題という。
研究はドイツ・イエナ大学と共同で行い、成果は英科学誌「ネイチャーメソッズ」に4月5日に掲載された。