日本ハム・新庄監督、異例ずくめの継投「感動させるのも監督の仕事だからね」「脚本はあと22ページくらいあるけどね」とニヤリ
◇14日 「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第3戦 日本ハム5―2ロッテ(エスコンフィールド北海道) 日本ハムが逆転勝ちし、2勝1敗でリーグ優勝した2016年以来8年ぶりとなるクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージ進出を決めた。0―2の3回に清宮の2点適時打で追いつくと、7回には水野が右中間へ勝ち越しの2点適時三塁打。8回にも1点を加点した。投手陣は新庄剛志監督による大胆な継投で3回以降は無失点でまとめ、逆転勝ちを呼び込んだ。 拮抗(きっこう)した熱戦。てんびんを動かしたのは新庄監督だった。同点の5回2死から先発・北山が角中に四球を与えると、ベンチを出た。投手交代。告げたのは今季20セーブを挙げた抑えの田中正義の名前だった。 「昨日の試合では(ロッテの)小島君が四球を出して、あの(逆転の)流れになった」。早すぎる守護神の登場にスタンドはどよめいた。田中正が4番ソトを最後156キロで3球三振に仕留めると、それは大歓声に変わった。 指揮官は田中正を7回途中まで続投させた。今季一度もなかったイニングまたぎを2度も命じ、田中正もパーフェクトリリーフで応えた。「誰もを喜ばせる、感動させる采配というのも監督の仕事だからね」と指揮官は自画自賛。自ら流れを呼び込み、終盤の猛攻へと導いた。 エンディングを任せたのは中継ぎが主戦場のベテラン宮西だ。「宮西君はこういう舞台を経験している。それにスタンドが盛り上がる」。3点リードの9回、もくろみ通りにファンは宮西を歓呼で迎え、「意気に感じた」と宮西が三者凡退で締めた。異例ずくめの継投が完璧に機能した。 これでソフトバンクの待つファイナルステージへと舞台は移る。第1戦にはファーストステージで温存した最多勝の伊藤を満を持して投入できる。新庄監督は「ここまでは描いたとおりになっている。脚本はあと22ページくらいあるけどね」とニヤリ。2試合連続逆転勝ちの余勢を駆って、下克上へと突き進んでいく。
中日スポーツ