72歳YouTuber・ロコリさん。年金+マクドナルドバイト代の月8万で暮らす「お金を得るためYouTube配信を始めて。動画の収益は今は貯金に」
69歳からマクドナルドでアルバイトを始め、71歳でユーチューバーとしてデビューしたロコリさん。月8万円で、おしゃれも外食も諦めないと言います(構成=福永妙子 撮影=吉田弦矢) 【写真】ヴィトンのバッグを大胆にカットして、ディスプレイに * * * * * * * ◆「若い人のいる職場」で働きたい 10年間介護した認知症の母を3年前に見送り、北九州の実家でひとり暮らしをしています。そんな72歳の年金生活者である私の、大まかな毎月の収支をご紹介しましょう。 年金が5万円。マクドナルドのアルバイト代が約3万円。最初の頃は6時間×週5日で入っていましたが、かなり疲れるので、現在は土日のシフトです。 この計8万円にユーチューブの収益が加わります。ユーチューブは閲覧数などによって収益が変動し、だいたい月額数万円くらい。一番いい時には2桁台になったことも。 支出は食費が2万5000円くらい。その他、光熱費、保険、通信費など諸々ありますが、基本の収入8万円で何とかやりくりし、ユーチューブの収益は貯金に回すようにしています。 マクドナルドのバイトやユーチューブを始めるまでは、年金だけの生活でした。販売員として勤めていた百貨店が閉店し、無職となったからです。 実家は築50年の古い日本家屋。持ち家で家賃がかからないのは助かりますが、それでも5万円の年金だけで生活するのは厳しい。不足分を補う貯金もほぼないとなれば、働いて収入を得るしかありません。
けれど、働きたくとも、この年齢だとそうそう仕事は見つからない。そんな時に目にしたのが、近所に新しくオープンしたマクドナルドの求人募集でした。その店は、三方が窓で気の巡りもよさそう。若い人とも一緒に働けます。 それまでの職場はシニア世代が多く、雑談の内容は病気や介護の話ばかり(笑)。次に仕事をするなら、若い人たちのいる職場で働きたいと思っていました。 働いてみると、大学生などが多く、若いエネルギーをお裾分けしてもらっている気分。新しい情報も得られます。当初の目的は「お金を稼ぐこと」でしたが、気分転換、チームで働く喜びなど、たくさんのプラスアルファがありました。 ユーチューブを始めたのも、そもそもはお金を得るため。ユーチューブは、自分のチャンネルを作ったうえで、条件(ロコリさんが始めた当時はチャンネル登録者数が1000人以上、直近12ヵ月の動画の総再生時間が4000時間以上など)をクリアしなければ収益化できません。 シニア世代が配信するチャンネルを調べると、動画の合間に広告が入っていることから、収益化できている人が多い。昔からパソコンでブログを書くなど、もともとデジタル好きな私は、「よし、これだ」と。 小さい頃からファッションが好きで、洋服に関わる仕事をしてきました。自分が得意とする、プチプラファッション=安い洋服でも楽しめるコーディネイトを紹介するのはどうだろう? とはいえ、動画制作はド素人です。そこで、初心者向けのハウツー動画を繰り返し見て、撮影から編集まで、すべてひとりでこなす方法を勉強しました。と同時に、いろいろなユーチューバーさんのチャンネルをチェック。どんな時に再生回数が伸びるか、何をすれば視聴者数が増えるかも研究しました。 そうして2022年8月にチャンネル開設。予想以上にたくさんの方が見てくださって、1ヵ月後、2本目の投稿から収益につなげることができたのです。
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