Number_iの3人は「めっちゃバランスがいい」──デビュー曲から作詞を担当するラッパーPecoriが明かすメンバーの関係性
──レコーディングを見ていると、3人とPecoriさんが対等な形で、チームでいいものを作ろうとしている、緊迫感がありながら和気あいあいとやっている感じが伝わってきました。1年ぐらいの付き合いにはとても見えなかったのですが、彼らと仕事をする上で、普段Pecoriさんが付き合っているミュージシャンとは話す言語が違う、というような難しさはなかったですか。 そもそも本当に言語感覚が違うような人達だったら、たぶんもう一緒にやってないと思います。そこはやっぱり彼らの人柄というか、ずっと業界にいつつも、普通のお兄ちゃんみたいな感覚が持てるのは、結構すごいことだと思います。自分がもし同じ学校のクラスメイトだったら、普通に友達になってると思う。 ──3人は海外への挑戦を掲げていますが、Pecoriさんはそんな彼らをどう見ていますか。 いま海外を意識していることで言うと、紫耀(平野)はたぶん和をテイストにするっていうところが一番メインにあって。あと自分としては、英詞は逆にあまり使わない、というのを意識していますね。 やっぱり自分の国の言語が一番説得力があるし、意外とこの3年くらいで海外でも日本語の曲がヒットするのが当たり前になってきている。言語の壁はなくなってきた、だから思いっきり日本語でやっていいという気がしている。 あとはもう、頑張れって思ってます。歌唱力ももっと伸びるだろうし、今後も練習、努力、勝利、友情......。 ──バンドやグループに離合集散はつきものですが、Number_iの3人の関係性についてはどう見ていますか。 めっちゃバランスいいなと思います。やっぱり、3人含めて全員で打ち合わせをしている時でも、話をリードするのは紫耀(平野)で、2人は紫耀の意見を尊重しながらも、自分たちの意見を出していく感じ。 KC(岸)はたぶん3人の中で一番音楽とダンスが好きで、一番作品にも介入してくるし、音楽も一番聞いてるんじゃないかな。 神宮寺は3人のまとめ役。紫耀(平野)は思ったこと全部言って、アイデア出しとか発想力はたぶん一番あるんじゃないかな。そのたくさんのアイデアを精査するのが神宮寺。それはちょっと無理でしょとか、意外と精査をするのが上手い。昨日のレコーディングでも、ここは違うかもなあと俺が思ったことも、だいたい神宮寺と一致している。一番見えてる感じがしますね。 とにかく、バンドやグループにとって、バランスというのはすごい重要なんです。音楽うんぬんだけじゃなくて、メンバー間のバランスというのはほんと大事。3人はとてもいいと思います。 ◇ ◇ ◇ Pecori/ODD Foot Works <PROFILE> 縦横無尽に時代性やジャンルを飛び越えていくヒップホップグループ、ODD Foot Worksのラップ担当。多様なビートにアプローチする変幻自在のフロウと独創的な言語感覚で愛を語るリリックは日々進化している。またフックでは普遍的なポップスセンスとメロディメイカーぶりを発揮。比類なき存在感を放つラッパーとして注目を集めている。 2022年6月、ソロラッパーとしての活動を開始。RAU DEFを客演に迎えた「Brain Stripe」をデジタルリリースした。他アーティストのフィーチャリングゲストとしては[Alexandros]、オカモトショウ(OKAMOTO'S)、androp、和久井沙良、imai、RhymeTubeなど幅広いバンド/ソロアーティスト/ラッパーの楽曲に多数参加。さらに近年はソングライター/プロデューサーとしてSUPER EIGHTやASPなどの楽曲を手がけ、ラップのディレクションを含む楽曲プロデュースで名を連ねた2024年元旦リリースのNumber_iの1stデジタルシングル「GOAT」が様々なチャートやメディアを席巻、巨大なバズを起こした。
田澤映(ジャーナリスト)