ワンオペ育児がツラすぎて、会社員から扶養内パートになりたい! 会社員と比較すると年金は減りますか?
仕事と子育ての両立は大変なことが多いでしょう。身体的にも精神的にも追い詰められてしまうことがあるのではないでしょうか。そんな共働きママから相談を受けました。 A子さんは会社員ですが、夫が育児をまったくやってくれず、ワンオペ育児が大変で、心身ともに疲れてしまったそうです。夫の扶養内でパートをすれば仕事の調整はしやすくなるけれど、将来受け取る年金額に影響が出るのではと心配しています。A子さんは35歳で現在年収300万円、大卒で入社しました。子どもは1人で3歳です。
65歳からもらえる年金
まず、65歳からもらえる公的年金について整理しておきましょう。日本国内に住所がある20歳から60歳の人は国民年金に加入することになっています。原則として、40年の間に10年以上、年金保険料を納めていれば、65歳から老齢年金を受け取ることができます。老齢年金には老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類があります。 【老齢基礎年金】 保険料納付済期間が10年(120月)以上年金保険料を納めていれば、保険料を納付した月数に応じて、65歳から老齢基礎年金を受け取ることができます。40年(480月)ずっと保険料を納めた人の年金は、令和6年度額で年81万6000円です。 保険料は自営業者やその妻、学生等(第1号被保険者)は直接納付しますが、会社員等(第2号被保険者)は厚生年金保険料に国民年金保険料が含まれているので、直接納付する必要はありません。また、会社員等に扶養されている妻は第3号被保険者として、扶養されている期間は年金保険料を自分で納付する必要はなく、厚生年金から保険料が拠出されます。 【老齢厚生年金】 老齢厚生年金は、老齢基礎年金に上乗せとして受け取れる年金です。老齢基礎年金の受給要件を満たしていて、厚生年金に1年以上加入していた人は、報酬額と加入月数に応じて老齢厚生年金を受け取れます。 厚生年金は70歳に達するまで加入することができるので、60歳を過ぎても厚生年金に加入して働き続ければ、70歳までは年金受給額が増えます。一方、第3号被保険者でいられるのは59歳まで。厚生年金に加入しないまま扶養内のパートで働き続けても、年金受給額が増えることはありません。