米ポートランド港、10月でコンテナ取り扱い終了。寄港減少で損失拡大、完成車などに集中
米西岸オレゴン州ポートランド港は、ターミナル6でのコンテナ貨物取り扱いを10月1日で終了する。ポートランド港湾局の貿易・経済発展担当責任者、キース・リーヴィット氏が顧客向けの書簡で明らかにした。寄港船社減少による損失拡大が要因。同港湾局によると、コンテナターミナル運営では過去3年間で3000万ドル以上の損失を計上しており、州政府の財政支援などを求めていた。今後は、完成車などの取り扱いに集中する。 ポートランド港はオレゴン州唯一のコンテナ港で、オレゴン州や近接するアイダホ州などの荷主を中心に、ニッチポートとして利用されてきた。コロンビア川沿いの河川港で喫水が13メートル強と浅く、コンテナ船の大型化が進む中で徐々に存在感が低下。主要顧客だった韓国船社韓進海運の経営破綻などで、2016年以降定期寄港が激減。17年には、ターミナル6を運営してきたフィリピン港湾運営大手ICTSIが、労使紛争の激化を敬遠し、10年から25年契約だった賃貸契約を破棄し撤退。その後、港湾局は新たな借り手を探してきたが進展せず、ターミナル6を自営していた。22年にはターミナル6とシアトル・タコマ間の鉄道輸送を提供してきた米鉄道大手BNSFが、物量減少を理由にサービスを停止した。 現在は韓国船社SMライン、スイス船社MSCが定期寄港している。 コンテナ取扱量は22年が前年比6割増の17・1万TEUと、コロナ禍を背景に拡大したが、過去最高だった03年(33・9万TEU)からは、ほぼ半減している。
日本海事新聞社