靖国神社落書き男、犯行理由を処理水放出への抗議と主張 しれっと幕引き図る中国、改めて世界に不当を発信するチャンス
【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】 訪日中国人の男が、靖国神社(東京都千代田区)の石柱に「Toilet」と落書きし、あろうことか放尿する様子を、中国のSNSに投稿した事件。現在、警視庁が器物損壊の容疑で捜査をしていますが、男はすでに出国しているので、ほぞをかむ思いの方も多いと思います。 【写真】中国の動画投稿アプリに投稿された、靖国神社の石柱に落書きする様子 この動画が公開され、ネット上で話題になったのは1日の土曜日です。日曜日を経て月曜日には、帰国した男が動画を公開して、「拡大解釈はやめましょう。脳がダメージを受けます」などと意味シンな発言もしていました。 迷惑系ユーチューバーだそうですから、再生回数を増やすために勇ましい「反日」発言をして稼ぐのだろうと思っていました。なので、この「しおらしい」動画は、ちょっと意外でした。 中国メディアも、尖閣諸島沖の漁船衝突事件の船長のように、「抗日」英雄と持ち上げるんだろうと思いましたが、静観していました。 中国外務省の毛寧副報道局長は3日の記者会見で、国外の自国民に対し、「現地の法令を順守し、理性的に要求を表明することを改めて促したい」と苦言を呈しました。一方、靖国神社については、「日本軍国主義が対外的に戦争を発動した精神的な象徴だ」と非難しました。論点ずらしで収拾を図りたい思いが透けてみえます。 どうして、及び腰なのかと思っていたら、上川陽子外相は4日の記者会見で、「外交ルートを通じ、中国政府に事案の発生に対する懸念を表明するとともに、中国国民に現地法令の順守、冷静な行動をとるよう注意喚起することを要請した」と発言しました。 日中間で水面下のやり取りがあったことを覗わせました。 ところが、件の男はこの動きに冷水を浴びせます。 日本メディアの取材に、「日本政府が核汚染水の排出を許可したことを知ってから、怒りが収まらない」などと、犯行理由は福島第1原発の処理水放出への抗議だと主張したのです。 この処理水放出については、国際原子力機関(IAEA)が「国際的な安全基準に合致する」と評価するなど、世界中が認めています。