靖国神社落書き男、犯行理由を処理水放出への抗議と主張 しれっと幕引き図る中国、改めて世界に不当を発信するチャンス
中国は昨年8月の放出開始直後、精華大学の「研究チーム」が240日後に中国に到達するというシミュレーションを発表するなど、さまざまな〝工作〟を行いました。ただ、国際世論は反応せず、中国には完全な負け戦でした。
唯一反応したのは自国の漁民たちで、今でも「もう期日を過ぎた! どうなっているんだ! このままじゃ生活が成り立たない!」などと抗議しているそうです。
仕方なく、中国政府は5月発表の海洋環境の報告書で、昨年の中国周辺海域の放射性物質濃度について、「異常は見られなかった」と明記していたと報じられました。
こうして、しれっと幕引きを図ろうとした矢先、落書き男が犯行の理由に処理水の話を持ち出してきたわけです。間が悪いとは、まさにこのことです。
われわれは粛々と男の引き渡しを求めるとともに、犯行理由も含めて、中国側の主張がいかに不当かを、改めて世界に発信するチャンスと捉えるべきです。
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。