さいたま市立中学の元校長が元教頭に「恥かかせんじゃねえ」と罵倒…地裁がパワハラ認定、市に賠償命令
勤務校の校長からパワーハラスメントを受けて適応障害を発症したとして、さいたま市立中学校の元教頭の男性(52)がさいたま市に慰謝料など約921万円の支払いを求めた訴訟の判決が10月30日、さいたま地裁であった。田中秀幸裁判長は訴えの一部を認め、市に約482万円の支払いを命じた。
訴状などによると、男性は2021年4月から同校に教頭として勤務。22年4月に赴任してきた元校長(60)に「俺に恥かかせんじゃねえ」「教頭の仕事を全く分かっていない」などと言われたり、校長室に呼びつけられて長時間叱責(しっせき)されたりした。男性は同年5月頃に適応障害などの診断を受け、その後、市教育委員会から休職を命じられ、23年9月に退職した。
判決は、校長が絶対的な上下関係のもと、男性を執拗(しつよう)に追及したり、罵倒したりしたとパワハラを認定。調査を行った市教育委員会がパワハラを認めず、配置転換や懲戒処分を行わなかったことが男性の精神的苦痛を増大させたとした。
判決を受けて、市教委の竹居秀子教育長は「判決文を精査し、今後の対応を検討する」とコメントした。