“受刑者”を消防士起用 米国・山火事で活躍のエリート集団も…背景に深刻な人手不足
■“20万人減”深刻な消防士の人手不足
アメリカでは山火事による被害が深刻化している。 アメリカの国立合同消防センターによると、アメリカでは去年、5万5571件の山火事が発生し、およそ1万平方キロメートルが焼失したという。これは、日本の岐阜県と同じくらいの面積だ。 また、ワシントン州の政府機関は、今年は例年よりも山火事の発生確率が高く、山火事のシーズンも長くなると予想しているとロイター通信が報じている。 その一方で、山火事に対応する消防士が不足しているという現状がある。BBCによると、アメリカの消防士の人数は1984年から2020年にかけて20万人以上減少したという。そのため、AP通信によると、消防署を閉鎖する地域も出てきているというのだ。 消防士が減っている要因について、ガーディアンは「精神的・肉体的な負担に加え、政府の予算不足により宿舎などが老朽化し、劣悪な環境で生活せざるを得ないことから離職者が増えている」と指摘している。
■出所後の雇用で、再犯防止にも期待
こうした人材不足の中で注目されているのが、受刑者による消防隊だ。 AP通信によると、カリフォルニア州、フロリダ州、オレゴン州、ワシントン州などで受刑者が消防士として活躍しているそうだ。 しかし、一日あたり300円程度の給与しか支払われない場合がほとんどで、アルカディア20のように、優秀な人材を集めて高い給与を支払うケースは、ワシントン州だけの取り組みだという。 アルカディア20の更生プログラムは出所後の雇用にもつながることから、再犯防止にも期待できるという。 更生プログラムのスタッフは「アメリカの他の地域が同様の取り組みで地域の安全をつくる足がかりになってほしい」とロイター通信に語っていた。 (「大下容子ワイド!スクランブル」2024年6月18日放送分より)
テレビ朝日