岡山で106回目の天プラセレクション「中山冴子展」 神聖描いた作品など
天プラセレクションVol.106「中山冴子展」が12月10日、岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町)で始まった。(岡山経済新聞) 【写真】天プラセレクション「Vol.106中山冴子展」の展示スペース 同展は、公募で選ばれた作家の作品を展示するクロス部門。岡山県立美術館の福冨幸さんと彫刻家の北川太郎さんが審査委員を務め、13人の中から選ばれた。中山さんは倉敷芸術科学大学芸術学部美術工芸科油画コースを卒業。 作品は、同大を卒業した2014(平成26)年ごろに描いていた油絵の作品、アクリル画に変更してからの作品など約30点。「そもそもなぜ絵を描くのかをひもといてくと、小学生の頃に教科書で見た宗教画に行き着いた」という。天使が舞い、美しさを感じた中山さんは、宗教画の持つ神聖で人を引きつける絵を描きたいと思うようになった。 今回は、河口湖から見える富士をモチーフにした3枚1組の作品「sanctuary foothill(サンクチュアリー・フットヒル)」、60年に1度開帳される秘仏が開かれた瞬間を描いた「unveil(アンベール)2063」などを展示。 中山さんは「アクリル絵の具の凸凹や見る角度によって色合いが変わる偏光色の部分など、実際に見ないと分からないところも楽しんでほしい。下地に金色を配し、後で削るなどする日本画からインスピレーションをもらったもの、山水画を意識したものもある。実際に目で見た色とは違う色を使うなどして、明るく静かな世界を感じてほしい。宗教画に救いがあるように、どこか心の安らげる絵を描きたい」と話す。 「以前は暗さの中にある光を描こうとしていた。現在は、明るい世界観の中にある神秘的なもの、静けさやさみしさも描く。誰にもあまり知られていない自分だけの聖地を見つけ、描いてみたいほか、鑑賞者が没入できるように、山水画のような縦長、横長に広がる世界も描いてみたい」とも。 開館時間は10時~17時。観覧無料。今月15日まで。
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