開会式 富岡西、夢舞台堂々と /徳島
<センバツ2019> 第91回選抜高校野球大会が23日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕した。21世紀枠で出場する富岡西にとって、1900年の創部以来初めての夢の舞台。出場32校中8番目に登場した選手たちは引き締まった表情で、プラカードを持つマネジャーの桑内亜結さん(3年)を先頭に、堂々と入場行進した。 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 センバツ旗を持った坂本賢哉主将(同)の後に、他の選手が続いた。吉田啓剛選手(同)の「1、2」という掛け声はスタンド席まで響き渡り、観客席からは大きな拍手が送られた。 内野席からは、OBや保護者らが選手たちを見守った。「始まったら泣いてしまう」と開会式の前に話した吉田選手の父、寿さん(54)は「ユニホームを泥だらけにして試合を終えられるくらい一生懸命戦ってほしい」と健闘を願った。 坂本主将の母、初美さん(48)は「親の方が緊張する」と笑顔を見せ、「初の夢舞台で悔いのないように頑張って」とエールを送った。自身もエースとして活躍したOBの甘利公さん(63)は「感無量。元気なうちに甲子園に来られて最高です」と喜びをかみ締めていた。 開会式後、久龍海人選手(3年)は「グラウンドに入った瞬間空気が違った。試合では緊張しすぎないようにしたい」と話し、坂本主将は「OBの方々の前できれいに行進ができて良かった。早く試合がしたい」と意気込んでいた。富岡西は大会第4日第3試合(26日午後2時開始予定)で、東邦(愛知)と対戦する。【岩本桜】 ◇直前でベンチ入り 日下龍我外野手(3年) センバツの大会メンバーが一部変更され、日下龍我外野手(3年)が新たに登録された。「選ばれて率直にうれしかった。メンバーから外れた選手の分まで頑張ります」と意気込んだ。 中学3年の時、富岡西の試合を見て「ベンチの選手なども一体となって戦っている」と感動した。中高一貫の富岡東(阿南市)に通っていたが「このチームで野球がしたい」と高校は富岡西を選んだ。 2月のメンバー発表では悔しい思いをしたが「最終決定で絶対に食い込もうと切り替えた」。その後は守備や声出しで存在感をアピールし、メンバー入り。「守備には自信がある。緊張する場面でも自分を信じて挑みたい」と力強く話した。【岩本桜】 ◇思い、いっぱい マネジャーが手作りお守り 富岡西の選手たちの野球バッグには、スクールカラーであるえんじ色のお守りがぶら下がっている。マネジャー8人が、甲子園でのチームの躍進を願い手作りした。 センバツ出場が決まり、2月上旬から着手。選手や監督など計46人分を手分けして作り、22日の夜に神戸市の宿舎で手渡した。ヘルメットをかぶった球児の横顔をかたどり、裏には一人一人の名前を刺しゅうした。下野朝光さん(2年)は「マネジャーの思いがいっぱい詰まっているお守り。その思いを胸に頑張ってほしい」と話し、渡翔希選手(同)は「自分はベンチに入っていないけど、マネジャーや学校のみんなと一緒になって全力でチームを応援したい」と笑顔だった。【岩本桜】