星街すいせい、武道館ライブ決定に『ビビデバ』1億回再生で大躍進 『VRChat』にはVAULTROOMが上陸
■彗星はなおも輝く――星街すいせいが駆け抜けた一週間 先週はホロライブ所属のバーチャルアイドル・星街すいせいの名前をよく聞く一週間だった。11月14日にライブ『Hoshimachi Suisei Live Tour 2024 “Spectra of Nova”』が開催されたのがその最たる理由だろう。さいたまスーパーアリーナを包みこんだ熱気は、Xのハッシュタグ「#かけめぐるほしまち」のトレンド入りからも伝わった。 【動画】11月14日に公開されたばかりの、星街すいせいの新曲「AWAKE」 ライブ終了後には来年に3rdフルアルバム『新星目録』リリース、さらには日本武道館でのソロライブ開催決定の報告をした星街すいせい。バーチャルアーティストきってのトッププレイヤーの躍進は、とどまるところを知らない。 文字通りの“スタープレイヤー”たる彼女に注目するのは、いまやVTuberシーンだけではない。11月15日には、パルコのコーポレートメッセージ「SPECIAL IN YOU.」第23弾広告に星街すいせいの起用が発表された。 新曲『AWAKE』を楽曲に起用しつつ、アニメーションを用いた特別CMを制作する、力の込められたタイアップとなっている。リアルにバーチャルな存在が重なる描き方は、『AWAKE』のMV、そしてスマッシュヒットを記録した『ビビデバ』にも連なる、「こうした存在が当たり前にいる」思想を感じさせる。 なお、『ビビデバ』はMV再生数も1億回を突破した。オリコン累計再生数1億回を突破したとのことで、星街すいせい自身にとってはもちろん、2024年のVTuber業界を代表する一曲になったと言えそうだ。 ■VAULTROOMが『VRChat』に上陸 そして今週末はFZMZ VRライブのアンコール公演! 様々な方面からの参入が相次ぐ『VRChat』だが、11月17日にはゲームコミュニティ・VAULTROOMが公式ワールドを公開した。Tシャツが展示されたショップと、遊び場がたくさんある「秘密基地」のようなエリアで構成されたワールドだ。 Tシャツは簡易的な試着ができ、バックヤードにはビリヤードに記念写真撮影機、オリジナルロゴを施したアーケードゲーム筐体に、バーベキュー会場と、各所に遊び心がある。ペン機能などの『VRChat』ワールド的な文脈も押さえており、”わかっている人”による制作と思われる。「VCRGTA」などの人気企画を手掛けたVAULTROOMは、このワールドを基点に『VRChat』でどのような展開を仕掛けていくのだろうか。 大きな反響をもたらしたFZMZのVRChatライブ『DEEP:DAWN』が、先進映像協会ルミエール・ジャパン・アワードのVR部門にてグランプリを受賞した。またボカロP・きくおの世界観を構築したワールド「よるとうげ」も優秀作品賞を受賞。同アワードでは2022年に『VRChat』で上演されたVR演劇『Typeman』が準グランプリを受賞しているが、ここにきて『VRChat』コンテンツがさらに大きく評価された形だ。 ちなみに、『DEEP:DAWN』は11月23日23時よりアンコール公演を予定している。YouTubeで見るのもいいが、やはり『VRChat』にオープンされる“現地”で体験する衝撃は、映像では得難いものだ。すでに観覧した方も、以前掲載したインタビュー記事を読み込んだ上でもう一度見届けてみてほしい。 そして、「よるとうげ」は現在も常設公開されているワールドだ。こちらも、実際に“現地”で体験をおすすめしたい音楽・視覚体験だ。もし体力が許すならば、11月23日は『DEEP:DAWN』からの連戦にも挑んでみてほしい。『VRChat』のポテンシャルを全身で浴びる夜を迎えられるはずだ。
浅田カズラ