嵐の宮城コンサート、開催は大丈夫? 地元ではさまざまな混乱も
宿泊先確保の困難さに加えて、コンサートに参加するファンにとっては会場へのアクセスの不便さも不安要素の一つだ。会場となる「ひとめぼれスタジアム宮城」は仙台市の北隣に位置する利府町にあり、JR利府駅から山道を登って徒歩約1時間。利府駅からバスに乗れば約10分だが、会場へ通じる道路は一本で、当日は相当な交通の混雑が予想される。 同会場では昨年、人気ロックバンド・GLAYのコンサート「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」が開かれ、約5万5千人が来場したが、交通渋滞や帰宅難民の発生などが問題化した。スタジアムを運営する宮城県スポーツ振興財団によると、会場発仙台駅行きのシャトルバスが一部、最終電車に間に合わない事態になったという。そのため今回、同会場で嵐が公演することが発表されると、ツイッター上ではGLAYのファンから「登山気分で行きましょう」「仙台駅の通路で一夜を明かした人もいた」など、嵐ファンへ向けた現地での苦労話やアドバイスが次々と書き込まれている。
受け入れ態勢の強化進む
現地では前回の反省を生かそうと、さまざまな対策が準備されつつある。主催者側はコンサートの開始時間を、当初発表の午後5時から午後4時半に繰り上げた。宮城県地域復興支援課によると、新幹線の時刻などを考慮し、現地で宿泊せずに東京などへ日帰りできる時間設定に変更したのだという。また、旅行代理店が岩手、山形、福島などの隣接県に宿泊してコンサートに参加できるようなパッケージツアーを準備しているという。 交通渋滞対策としては、宮城県スポーツ振興財団は「自家用車による来場を極力減らし、大量輸送が可能なシャトルバスによる来場案内を行う予定」としている。県によると、仙台駅や利府駅と会場とを結ぶシャトルバスの本数を、GLAYのコンサート時より増便する予定。会場から少し離れた場所に駐車スペースを設け、そこから来場者を会場にピストン輸送することも検討している。帰りのシャトルバスについては、最終電車に間に合うような時間設定を検討中とのことだ。 スタジアムでは警備員や誘導スタッフも増強される予定といい、受け入れ態勢の強化が進んでいる。県の担当者は「 4日間という日程だが、これまでの単発のコンサートなどでの経験を生かしてできる限りの対応をしていきたい」と語った。 (安藤歩美/THE EAST TIMES)