ビットコイン、9万ドルの壁にぶつかる──ドル高で上昇が鈍化する可能性も
ビットコイン(BTC)は、先週CoinDeskが特定した9万ドルの抵抗水準で強気の息抜きをしている。外為トレーダーがドル指数(DXY)の上昇に注目し、ドル高による金融引き締めリスクが高まり、リスク資産の重しとなっているからだ。 11月12日の早い時間から、ビットコインは9万ドルの壁に阻まれ、価格が一時的に8万5000ドルまで下落した。CoinDeskのデータが示すように、ビットコインは高揚感に包まれて上昇したはずだったが、9万ドルの壁でつまずいた。 わずか1週間で2万ドルという驚異的な価格上昇を記録し、これまでの最高値を更新した後にこのような停滞が生じるのは、まったく正常なことだ。このような停滞は、通常、次の上昇局面に向けて強気派の勢いを回復させる。QCPキャピタル(QCP Capital)が共有したデータによると、オプション市場のトレーダーたちは、11万ドルから12万ドルへのブレイクアウトを狙ってポジションを調整している。
ドル高でリスク回避へ
それでも、主要な法定通貨に対する米ドルの価値を追跡するドル指数(DXY)の上昇が続くとトレーダーが予想しているという報告と並行してビットコインの上昇が一時停止していることは、単なる偶然以上のものかもしれない。 「市場がドル高を見込んで(投資家が)ポジションを積極的に構築したり、(企業の財務担当者が)ヘッジを行ったりしているため、取引されるボラティリティの水準が著しく上昇している」と、INGは12日に述べた。「ここで我々が言えることは、この新たなトレンドに逆らわないことだけだ」。 いわゆる「トランプ・トレード」の一部であるビットコインと米ドルは、1週間前に実施されたアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が勝利して以来、急騰している。TradingViewによると、DXYは2.7%上昇して106.78となり、6カ月ぶりの高値を記録した。 しかし、ドル高が持続すれば、両者の間の歴史的な負の相関関係が復活し、ビットコインの上昇を完全に止めることはできなくとも、少なくともその上昇を鈍化させる可能性がある。 なぜなら、米ドルは世界的な準備通貨で、世界貿易、国際債務、非銀行借入においてとてつもなく大きな役割を担っているだからだ。ドル高が進むと、一般的にドル建ての債務や金利負担を抱える投資家は、株式や暗号資産などのよりリスクの高い資産へのエクスポージャーを削減する。