【特集】「パンドラの箱を開けたら恐怖がいっぱい出てきた。でも、最後にhope(希望)が入っていた」ダウン症の女の子を育てる母からのメッセ―ジ…手作りの絵本『もし僕の髪が青色だったら』が出版されるまでに独自密着「どんなあなたも全部愛してる」
この経験を忘れまいと、学生時代に美術を学んでいた瑞穂さんは、手作りの絵本を描きました。タイトルは、『もし僕の髪が青色だったら』。
コピー用紙に印刷された、一つだけの手作り絵本。完成後、何年も自宅の本棚で人知れず眠っていましたが、瑞穂さんが取材班に「前、こんなものを作ったんです」と見せてくれたのです。絵本の内容は全て、エイデンくんが学校に通えなかった頃の実話に基づいています。
ある日、エイデンくんは自らを『青色の髪の子ども』に例え、それでも好きでいてくれるのか、瑞穂さんに尋ねました。 【絵本より抜粋】 (エイデンくん) 「ねぇママ、もし僕の髪の毛が青色だったら、ママ僕のこと好きだった?」 (瑞穂さん) 「生まれたときから青色なの?」 (エイデンくん) 「うん、そうだよ」 (瑞穂さん) 「もちろん大好きよ。きっとママも、同じ色に髪の毛を染めたくなると思うな」
次にエイデンくんは、「自分が半分、猫だったら?」と尋ね、瑞穂さんは「それでも愛している」と答えました。 一方、エイデンくんからの問いの数々は、当時「ダウン症のまりいちゃんと、どう向き合うべきか」と悩んでいた瑞穂さん自身に、別の問いも投げかけていました。 (瑞穂さん) 「『僕が学校に行けなくても、お母さんは僕のこと好き?』と聞きたかったんだけど、それはダイレクトすぎて聞けなかったから、きっと『髪の毛が青く生まれても好きだった?』と聞いてきたのだと思います。でも、それは私に『染色体が3本でも好き?』という質問も同時に来るわけで…」
そして、最後にエイデンくんが尋ねたのは―。 【絵本より抜粋】 (エイデンくん) 「いつか僕がパパになって、生まれてきた赤ちゃんが障がいを持って生まれてきたら、僕はどうしたらいい?」
この絵本を読んだ中山さんは、瑞穂さんに感想を伝えました。 (中山さん) 「“障害”という言葉を使ったからこそ、大人までズーンと響くので、活かしたいと思うんですけど」 (瑞穂さん) 「そうですね、障害って難しいですね。本当に障害がある人でも、生活の中で障害じゃなければ障害じゃないですもんね」
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