レガレイラ（奥）がシャフリヤールの猛追をハナ差抑えて有馬記念を制した。写真：産経新聞社

　12月22日、2024年の総決算となる有馬記念（ＧⅠ、中山・芝2500ｍ）が行なわれ、単勝５番人気のレガレイラ（牝３歳／美浦・木村哲也厩舎）が10番人気のシャフリヤール（牡６歳／栗東・藤原英昭厩舎）をハナ差制して優勝。３歳牝馬としては1960年のスターロツチ以来、64年ぶりのグランプリ制覇となった。なお３着には２番人気のダノンデサイル（牡３歳／栗東・安田翔伍厩舎）が粘り込み、１番人気のアーバンシック（牡３歳／美浦・武井亮厩舎）は６着に敗れた。 【動画】64年ぶり３歳牝馬の有馬記念V！レガレイラの激走をプレイバック 　レースを２日後に控える金曜日に、ここが引退レースとなるはずだったドウデュース（牡５歳／栗東・友道康夫厩舎）が右前肢跛行のため出走取消となるという波乱を前奏として迎えた今年の有馬記念は、1000ｍの通過が１分02秒２という超スローペースで進む。そして、逃げの手に打って出たダノンデサイルが最終コーナーを回って後続を突き放しにかかってから、レースは一気に白熱した。 　後続の脚音を聞きながら直線の坂上まで粘って逃げ込みを図るダノンデサイルに襲い掛かったのはレガレイラとシャフリヤール、牝の若駒と６歳のベテラン牡馬の２頭だった。馬体を併せながら激しい叩き合いを展開し、ダノンデサイルをのみ込むと、２頭は互いに譲らず鼻面を揃えたままでゴール。長い写真判定の末、掲示板の一番上に灯った馬番は「８」。レガレイラがシャフリヤールに僅差で競り勝ち、24年最後のビッグレースを制した。 　 　レガレイラは、昨年12月のホープフルステークス（ＧⅠ、中山・芝2000ｍ）で最後方から牡馬をなで斬りにして優勝。今春はクラシック戦線で牡馬に挑み、勝利こそ挙げられなかったが皐月賞（ＧⅠ、中山・芝2000ｍ）が６着、日本ダービー（ＧⅠ、東京・芝2400ｍ）で５着に健闘した。ところが牝馬戦線に進路を切り替えた今秋、ローズステークス（ＧⅡ、中京・芝2000ｍ）、エリザベス女王杯（ＧⅠ、京都・芝2200ｍ）を連続５着と、いずれもオッズ１倍台の１番人気を裏切って敗れたため、その能力に対する評価が揺らいでいた。 　しかし、ファンはまだ彼女を見放していなかった。菊花賞馬アーバンシック、ダービー馬ダノンデサイル、大阪杯の勝馬ベラジオオペラ（牡４歳／栗東・上村洋行厩舎）、春の天皇賞を制したジャスティンパレス（牡５歳／栗東・杉山晴紀厩舎）という牡馬の強豪に交じっても単勝５番人気という、決して低くはない支持を獲得。木村調教師の「有馬記念はデータ的に見て牝馬が太刀打ちできないレースではないので、斤量54㎏という優位性を生かして立ち回らせたい」という執念を乗せてゲートに入ったのだった。