AARかVARか?どうなるJリーグ審判誤審の防止対策
一度認められたゴールがオフサイドだったとして取り消され、約9分間の中断後に再びゴールに変わった、審判団による前代未聞の不適切対応問題が依然として尾を引いている。 18日には東京・文京区のJFAハウスで、レフェリングや判定について理解を深めることを目的としたJFAレフェリーブリーフィングを開催。オフサイド判定を話し合う事例として、13日の横浜F・マリノス対浦和レッズの後半14分に訪れた問題の場面が取り上げられた。 審判団を統括する日本サッカー協会(JFA)は、前日17日に審判委員会を開催。件の一戦を担当した松尾一主審に1か月間の公式戦割り当て停止、田尻智計副審には1試合の公式戦割り当て停止、相樂亨副審と大坪博和第4審には1か月間の資格停止措置をそれぞれ科している。いずれも試合翌日の7月14日から、すでに適用されている。 完全にゴールラインを割った得点が誤審で見逃されてノーゴールとなった、5月17日のレッズ対湘南ベルマーレでは山本雄大主審と川崎秋仁副審に2週間、中野卓副審と熊谷幸剛第4審には1週間の公式戦割り当て停止措置がそれぞれ科された。2つの試合における措置で異なるのは、「公式戦割り当て禁止」と「資格停止」となることがわかる。 後者がより厳しい内容となっているのは、ゴールを巡る判定が二転三転した事情と密接に関係している。問題の場面は左サイドを抜け出したマリノスのFW遠藤渓太がレッズゴール前へ送った、シュートにも映った低く速いクロスを、ファーサイドを詰めてきたFW仲川輝人がレッズのMF宇賀神友弥ともつれ合いながら、最後は胸でゴールへ押し込んで生まれている。 仲川は明らかなオフサイドポジションにいた。しかし、審判委員会による聴き取り調査では、複数の選手がブラインドになった関係で松尾主審には得点者が見えず、レッズ陣内を担当した田尻副審にも仲川のゴールなのか、宇賀神のオウンゴールなのかがわからなかった。