世界最高クラスにスモーキーなウイスキー「オクトモア」の魅力とは - 2024年の「オクトモア15」はすべて当たり!
と、マスタークラスはここまで。そのあとは併設されたバーへ向かい、限定ボトルを含め多数のオクトモアを試飲できました。 注目は、アイラ島限定で、まだスコットランドでも飲めない「オクトモア10年」。アイラ島では毎年5月にアイラフェスを開催しているのですが、そこで出たボトルです。 「基本的にオクトモアは5年熟成です。そもそも、オクトモアはたくさん作るものではなく、ブルックラディの生産量のうち10%にしかなりません。10年熟成させるのもとてもレアですが、たまにはやってもいいかなという気持ちで作りました」(アダム氏) 今回のテイスティングにはなかった「オクトモア15.4」は、バージンオークの新樽で熟成させました。オークというとアメリカンオークやフレンチオークが有名ですが、コロンビア産のアンディーンオークを使っています。樽の内側を焦がすチャーという工程では焼き加減のレベルを色々と変えて、影響を確かめたそうです。 注目ボトルの3つ目はハンドフィルです。ブルックラディ蒸留所の売店では、ウイスキーを熟成させている樽から自分で瓶に詰めて購入できるハンドフィルが行えます。かつて筆者がブルックラディ蒸留所を訪れたときは「ブルックラディ」と「ポートシャーロット」しか買えませんでしたが、今回はオクトモアのハンドフィルボトルを初めて飲むことができました。
ちょっとマニアックな銘柄でもあるオクトモアも、作っている人の話を聞くとぐっと身近に感じます。ピーティーであることは間違いないので、ぜひ皆に飲んで欲しい――とは言いにくいのですが、最高に美味しいウイスキーのひとつであることは間違いありません。 もしバーで見かけたら、一度チャレンジしてみることをおすすめします。そして「オクトモア」ファンであれば、2024年の「オクトモア15」シリーズはすべて当たりなので、ぜひ、お見逃しなく。 ■ 柳谷智宣 やなぎや とものり 1972年12月生まれ。1998年からITライターとして活動しており、ガジェットからエンタープライズ向けのプロダクトまで幅広い領域で執筆する。近年は、メタバース、AI領域を追いかけていたが、2022年末からは生成AIに夢中になっている。 他に、2018年からNPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立し、ネット詐欺の被害をなくすために活動中。また、お酒が趣味で2012年に原価BARを共同創業。
柳谷智宣