世界最高クラスにスモーキーなウイスキー「オクトモア」の魅力とは - 2024年の「オクトモア15」はすべて当たり!
「15.2」は「15.1」とまったく同じ原酒を異なる樽で熟成。フェノール値も108.2ppmと同じです。「.2」はワイン樽を使っており、フィニッシュにはコニャック樽も使いました。オクトモアでコニャック樽を使ったのは今回が初めてだそうです。 「15シリーズの中では、この15.2が一番好きです。フレンチワイン樽で熟成させるとワインの影響がとても強くなるのですが、コニャック樽はすでに40年以上使われているので、フレンチオークから来る影響がまったく異なります。ドライフルーツやキャンディー、ナツメグといったスパイスは、これまでのオクトモアの中でも珍しい味わいです」(アダム氏)
「15.3」は、アイラ島にあるオクトモアファームの大麦のみを使っていることが特徴です。このファームはブルックラディ蒸留所から約3kmのところにあり、「ポートシャーロット」の熟成庫の隣に位置しています。スコットランド本土の大麦と比べて、アイラ島産の大麦を使うと、アルコールの収穫量が大きく落ちるそうです。 「生産量を考えるならビジネス的にはよくないのですが、それはブルックラディの目標ではありません。個性が違うウイスキーを作りたいと考えています。逆に、取れるアルコール量が少ないからこそ、味が強くなります。初めてオクトモアファームの大麦から作ったのは「6.3」でした。フェノール値は258ppmです。その後もフェノール値の1位を更新するのは「.3」です。「8.3」のフェノール値は309.1で、(もっともフェノール値の高いウイスキーとして)ギネスブックにも登録されています」(アダム氏) 「15.3」はバーボン樽に加え、オロロソシェリー樽で熟成させています。アルコール度数は61.3%、そしてなんとフェノール値は307.2ppmと歴代2位の高さです。とはいえ、香りがきつすぎるというわけではなく、柑橘系のニュアンスもある甘やかなスモーキーさが感じられます。度数が高いからか“とろっ”としており、クリーミーでスモーキーで最高に美味しいウイスキーでした。 「.3シリーズはどれもそうなのですが、ブルックラディのテロワールが感じられます。オクトモアファームは海に近く、毎日潮風にさらされています。そのため、大麦にもその塩気が入ります。どの.3シリーズもすべてソルティな味わいが残っています。ブルックラディという銘柄ではありませんが、もしかしたら、オクトモアが一番ブルックラディらしいかもしれません」(アダム氏)