世界最高クラスにスモーキーなウイスキー「オクトモア」の魅力とは - 2024年の「オクトモア15」はすべて当たり!
「モルティング施設で作られる麦芽は毎年異なる」とも。つまり、同じウイスキーを作り続けることができないということです。 当時のブルックラディ蒸留所は大手企業ではなく、個人企業のような雰囲気があり、とても自由だったそうです。そのため、味がどうなるのかわからない、毎年異なる麦芽になってしまう、と言われても、それを楽しみにして「オクトモア」の蒸留が始まりました。 「始めて蒸留したオクトモアのフェノール値は80ppmでした。それまで、80ppmのようなウイスキーは作られたことがなく、ブルックラディにとってすごく面白いチャレンジでした。ブルックラディのエレガントでフローラルなハウススタイルを守れるのか、どの樽に合うのか、今でもチャレンジをしているところです。5年間熟成させた段階で、もうこれは十分に美味しいぞと思い、2008年にリリースしました」(アダム氏) 最初に発売された「オクトモア 1.1」は5年熟成で、フェノール値は80.5ppm、アルコール度数は63.5%です。スペックだけ見ると、若すぎて、スモーキーすぎて、アルコールも強すぎるように見えますが、実際に飲んでみるととても美味しかったそうです。 翌年は「オクトモア2.1」がリリースされました。ナンバリングの整数部分はリリースの回数を表します。小数点の部分は、使った樽を表しています。「.1」はアメリカのバーボン樽のみで熟成した「オクトモア」となります。 「.2」はワイン樽で熟成された原酒をブレンドしたもの、「.3」はオクトモアファームで収穫した大麦を使用したもの、「.4」はバージンオークの新樽で熟成したものとなります。
今回のマスタークラスでは、オクトモアの「15.1」「15.2」「15.3」をテイスティングできました。「15.1」はリチャー(焼き直し)したバーボン樽で熟成し、フェノール値は108.2ppm、アルコール度数は59.1%です。 「アルコール度数は59.1%とけっこう高いですが、香りにはアグレッシブな感じはありません。もちろんスモーキーさはありますが、フローラルでフルーティな、軽やかな特徴もあり、ブルックラディのハウススタイルを守っています。伝統的なアイラウイスキーのヨードっぽさはなく、香りにはスモーキーさが控え目です。しかし、口に含むと、スモーキーさがゆっくり開きます。これがオクトモアスタイルです」(アダム氏)