ノーベル平和賞に日本被団協 米メディアも速報
今年のノーベル平和賞に日本被団協=「日本原水爆被害者団体協議会」が選ばれたことについて、原爆を投下した当事国であるアメリカのメディアも速報で報じました。 今年のノーベル平和賞に被団協が選ばれたことについて、ニューヨーク・タイムズは、「被爆者の多くは、耐えがたい肉体的・精神的な傷を語り継ぐことに人生を捧げてきた」と伝えた上で、「被爆者の力強い証言は、核戦争がもたらす深刻な被害について、より深く理解されることに貢献している」と評しました。 また、ウォールストリート・ジャーナルは、「被団協の受賞決定は、世界の核保有国が核兵器の近代化を進め、新たな国々が核兵器の獲得に乗り出していることを示すものだ」と指摘しました。 一方、被爆者との面会を重ねてきた国連のグテーレス事務総長は、声明で、「被爆者のたゆまぬ努力と不屈の精神は、世界的な核軍縮運動の原動力だ」と強調しました。その上で、「被爆者の心に焼き付いた生々しい証言は、核の脅威が歴史の教科書の中だけにとどまるものではないことを世界に想起させる。核兵器は依然として、人類にとっての明白かつ差し迫った脅威だ」と警告しました。 また、2017年にノーベル平和賞を受賞した国際NGOの「ICAN」=核兵器廃絶国際キャンペーンは、被団協の受賞決定を祝福した上で、「広島と長崎の被爆者は、核兵器の壊滅的な影響に対する 認識を高め、その完全廃絶を推進するために、たゆまぬ努力を続けてきた」と称賛しました。 一方、イランで女性の人権保護や死刑廃止を訴えて、2023年にノーベル賞を受賞した人権活動家、ナルゲス・モハマディ氏は、自身のSNSで、被団協の活動が「多くの人々に希望をもたらしている」と述べ、「平和への道は、暗く破壊的な戦争という回廊を通って見つけられるものではない」と訴えました。