【宝塚記念】グランプリ連覇狙うドウデュースが最有力 逆転候補はソールオリエンスら大阪杯敗退組
距離延長は問題ないドウデュースだが
前走ドバイは【2-1-1-11】。5月のGⅠでは例年より1週間遅かったドバイとのレース間隔が取り沙汰されたが、さすがに宝塚記念となればその影響は小さい。前走ドバイ経由はクロノジェネシス、イクイノックスとグランプリ連勝馬の名前が並び、ローテーションの相性は問題ないだろう。 ただし、ドバイシーマクラシックが【2-1-1-6】と好成績。ジャスティンパレスはデータ上問題ないが、ドウデュースのドバイターフは【0-0-0-2】。18年ヴィブロス3番人気4着、22年パンサラッサ6番人気8着と冴えない。ドバイ帰りというより、距離延長が好走を阻んでいるようだ。この点も「阪神ならではの現象で、京都なら問題なし」ともいえるが、ここは解釈が分かれるところ。 ドウデュースはダービー、有馬記念を勝っており、距離自体の問題はないが、距離変化の影響がどれほどあるかは気になる。ハーツクライ産駒は距離延長を苦にせず、ドウデュースも距離延長【2-1-0-1】(前走取消を除く)。データが当てはまるとは限らない。 国内組に目を向けると、前走GⅠが【5-5-8-58】勝率6.6%、複勝率23.7%と目立つ。そのレース内訳は天皇賞(春)【3-3-3-33】勝率7.1%、複勝率21.4%、大阪杯【2-2-1-16】勝率9.5%、複勝率23.8%。普段は同じ阪神内回りということで大阪杯に分があるが、今年は京都のため、この成績は単純には受け取れない。 前走天皇賞(春)組は1着【1-0-2-2】勝率20.0%、複勝率60.0%だが、2、3着【0-0-0-10】であり、ブローザホーン、ディープボンドには気になるデータだ。ブローザホーンは日経新春杯(京都芝2400m)勝ちがあり、京都芝2200mは悪くないはずだが、そこから2戦距離を延ばし続けた。一気に距離が1000mも短くなるのはどう出るか。後方から進めた前走が引っかかる。日経新春杯のように流れに乗ってほしい。 大阪杯組は逆で、1着【0-0-1-3】複勝率25.0%に対し、2着【1-1-0-1】勝率33.3%、複勝率66.7%。データではべラジオオペラよりローシャムパークをとりたい。また6~9着は【1-0-0-6】勝率、複勝率14.3%。2017年サトノクラウンが逆転劇を演じた。この年は大阪杯が1:58.9と速く、宝塚記念は稍重で2:11.4と少し時計を要した。 今年の大阪杯は1:58.2。もしも馬場が渋り、時計がかかるようなら、7着だったソールオリエンスはイメージに近い。重の皐月賞は2:00.6だった。その後、道悪は中山記念4着だけ。有馬記念以降、成績は冴えないが、適性が合わなかっただけかもしれない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳