延べ60人がくくりわなの安全学ぶ 館山・南房総の2会場で(千葉県)
イノシシなどの有害鳥獣捕獲従事者を対象とした講習会が、11日に南房総市丸山体育館、12日に館山市の菜の花ホールで開かれた。2日間で延べ60人が、「くくりわな」を使用する際の安全対策について理解を深めた。 共通した地域課題に連携して取り組む館山市と南房総市が、定住自立圏構想に基づいて合同で開催。両市では昨年度、くくりわなでの捕獲活動時に劣化したワイヤが切れて逃げ出したイノシシに、従事者が襲われてけがをする事故が2件発生しており、安全対策を周知しようと企画された。 講習会では、佐賀県嬉野市でくくりわななどの獣害対策用品を製作・販売する、太田製作所の太田政信代表が、「有害鳥獣捕獲時の注意事項について」をテーマに講演。太田代表がわなを自作して販売するようになった経緯や、設置の下準備などについて話した後、くくりわなの設置方法ととどめ刺しの仕方を実物を使って解説した。 太田代表は「わなの反応が良すぎるときは、つまようじなどをかませて調節すると簡単で道具も傷まない」といったポイントを紹介。とどめ刺しについては「とにかく固定することが大切。暴れないように足や口など、固定できる箇所は全て固定をしてから、電気とどめ刺しか猟銃で確実に仕留めることが大切」などと安全確保について説明した。 館山有害鳥獣対策協議会の森下茂一会長は「今回の講習を通して、学んだ知識や技術を有効に生かしていきたい。従事者の安全を第一に、けがや事故なく終えられるよう周知に努めていきたい」と話していた。