四国沖の初ガツオ1か月早く絶好調スタート!地元ならでは”日戻り”の食感はほぼ餅?セリでNISA投資の厳しさ体感
「何だこれは!味わったことのない食感。これはカツオか?」 今年は1か月も早く初ガツオの水揚げが絶好調だと聞いて、四国一の水揚げ量を誇る愛媛県愛南町の深浦漁港を訪れた。 市場食堂で、その日一本釣りされた初ガツオを食べたが、思わずうなった。 そのモチモチ感、ほぼ餅…といえば大げさに聞こえるだろうか、そう感じた。 さらに”さっぱり”が特徴とされる初ガツオなのに脂がのっている、なぜだ? 一般に、全国的には漁獲量の減少などで苦境が伝えられる漁業だが、カツオ漁は量、価格ともに好調で、取材した日のセリではキロ2,000円もの値が付いた。 これはお盆など特別な日につく値段とほぼ同じらしい。 目の前で競り落とされた初ガツオを買って、「株式市場もこういう感じなのかなぁ?」「今日はお盆なみの高いカツオを買ったのか、昨日だったらもっと安く買えたのかな?」と岸田政権の目玉政策、NISA(少額投資非課税制度)の厳しさを魚市場で体感した。 【南海放送オピニオン室 三谷隆司】
初ガツオは四国沖で豊漁、水揚げは愛媛に集中
カツオは暖かい海に住む魚で、春、黒潮(暖流)に乗って太平洋を北上する。 つまり単純に九州沖、四国沖、関東沖…と釣れ始め、その順に初ガツオが食べられるわけだ。 しかし自然相手だからそう簡単にはいかず、食卓に上るまでには様々な関門が立ちはだかる。 ①年によって黒潮の蛇行が異なる。つまりカツオの居場所や量が異なる。 ②エサに生きたイワシが必要、イワシがないとカツオが釣れない。イワシを備蓄した港が必要。 ③セリや流通など販売の基盤が整い、鮮度などカツオを美味しく保つ人間(漁協)のサポートも必要。
今年は四国沖の「いい黒潮の枝がえぐり込むように」(漁業関係者)沿岸に近づき、愛媛県最南端の愛南町深浦漁港にとって絶好の流れになった。 さらに九州沖でほぼ釣れなかったため、深浦漁港を拠点とする漁船が3月の初ガツオを独占。 3月の水揚げ量は377トンと直近5年間平均の186トンの2倍を超えた。 ところで、カツオといえば高知をイメージするが、なぜ愛媛の漁港なんだろうか? 理由は②のカツオの一本釣りに欠かせない撒き餌、生きたイワシにある。 深浦漁港にストックされたイワシの品質はすこぶる評判が良く、量も豊富、このイワシが漁の行方を大きく左右するのだ。 ちなみにカツオ漁船はほぼ全て高知の漁船。釣るのは高知、基地機能は愛媛という役割になっている。