四国沖の初ガツオ1か月早く絶好調スタート!地元ならでは”日戻り”の食感はほぼ餅?セリでNISA投資の厳しさ体感
異変?四国沖で越冬するカツオも?
取材は4月5日、3月の豊漁が落ち着き、漁船によって漁獲にバラつきが出ていたが、「今、カツオは相当にいい。冬場に南の海に戻り切らず、四国沖で越冬しているカツオがいるように感じる。そこに南から上ってきたカツオが加わっている感じ。水温が20度から18度くらい(で、下がり切っていない)」(高知の漁船・光丸の船長)という。 自然相手なので、船長もあくまで”体感”を話しているが、海の環境の変化を注意深く見守る必要はありそうだ。
セリでNISA”投資”の厳しさを知る?
取材した日は量こそ少なかったがセリ値が「盛漁期とほぼ同じ」(漁業関係者)、お盆なみのキロ1,500円から2,000円の高値がついた。 私も撮影用に小サイズ(2キロ強)を買ったがキロ1,887円だった。 コンビニか酒屋でしか普段、買い物をしない私にとって、”日によって違う値段”を実感できたのは非常に勉強になった。経済は教科書だけでは学べない。 大げさかもしれないが、魚市場も株式市場も仕組みは一緒。岸田政権の目玉政策であるNISAにはメリットもあればデメリットもある。その理由は”日によって値段が違う”という市場の機能にある。 全国の初ガツオの水揚げが深浦漁港に集中した3月に水揚げされたカツオの平均単価はキロ600円、取材日に買ったカツオはその3倍だったわけだ。しかしカツオとしての価値は変わらない。 時期や天候、漁獲量、競合する食品、ブランド価値、食べたいと思う消費者の数など…無数の条件が偶然重なって、その日の値段が決まる。 正直、「高値買いしたかな?」と思った。が、あとでその価値に十分、満足する結果になる。
愛南町でしか食べれない特別なカツオ
これ以上の鮮度はあり得ない「日戻りガツオ」の秘密は、深浦漁港の位置にある。 初ガツオは黒潮とともに上ってくるが、四国愛媛の南端にある愛南町だと黒潮の漁場まで2~3時間で到着する。 未明に出港し、日の出とともに一本釣りが始まり、カツオの群れを探しても日帰りが可能だ。 この漁場までの距離の近さが深浦漁港の強力な武器だ。「安定的に日帰り漁ができるのは、全国でここしかない」(地元の漁業関係者)という。 深浦漁港でのセリは午後2時半に行われ、そのカツオを市場食堂(一般の人も利用可能)で刺身で食べた。