主人公を覚醒させた頭文字Dのガムテープデスマッチ! 現実的にはやっても「メリットなし」の可能性大
FFに有利なバトル方式として登場する「ガムテープデスマッチ」
漫画に出てくるドライビングテクニック。荒唐無稽なものもあるけど、試してみたくなるものもなかにはある。 【画像】かつて「10時10分」といわれたハンドルの持ち方がいまは「9時15分」に変わっていた そのひとつが「頭文字D」に出てくるガムテープデスマッチ。このガムテープデスマッチとは、ガムテープで片手をステアリングホイールに縛り付けたまま行うレースのこと。作品中では、ステアリングはきっかけだけに使って、基本はドリフトで進路を変更。カウンターも最小限しか使えない制約付きの競争になる。 実際にできるかできないかでいえば、できないことはないだろうが、何かメリットがあるのかといわれると相当「?」だ。 クルマを速く走らせるには、できるだけ舵角は少ないほうが望ましいのは確か。そういう意味で、ガムテープデスマッチのいわんとするところはわからなくもないが、使えるものは何でも使って結果を出すというのも、道具を使うスポーツのひとつの真理。 スポーツドライビングでいえば、アンダーステアを忌み嫌うが、このアンダーステアの原因のひとつに「手アンダー」がある。「手アンダー」とは、一般的にタイヤの応答性(グリップ力)を超えるほど大きくハンドルを切って、そのためにアンダーステアが出る現象のこと。オーバースピードでコーナーに進入し、減速不足でクルマが曲がらないのに、自分の曲がりたい意思を優先し、もっとハンドルを切って、アンダーステアをさらに悪化させるケースがこれ。 ただし、「手アンダー」には別のパターンもあって、それはもっとハンドルを切れば曲がるのに、自分で勝手に「これ以上ハンドルを切っても曲がらない」と思い込んで、舵角不足でアンダーステアを出しているケースも存在する。 コーナー進入時、車速が落ちれば、そのぶんだけハンドルも切り足せるので、コーナーのボトムスピードで一番舵角が大きくなるよう調整していくこともとっても大事。 ガムテープデスマッチでは、この必要な切り足しができなくなる可能性があるので、あまり積極的に賛同することはできない……。