幼少期の「逆境体験」が影響?大谷の元通訳もハマった「ギャンブル依存症」なる人、ならない人の境界線
笑顔で仕事を引き受けていても、心の中にもやもやをもっているギャンブル依存症
依存症の人は、断ると嫌われてしまうと思うので、断ることができない。笑顔でなんでも引き受けてしまうのだそう。そういえば、水原容疑者も大谷選手のキャッチボールの相手をしたり、車を運転したり、通訳以外の仕事もしていたと聞く。 「あくまで憶測ではありますが、大谷選手の信頼を勝ち得ようと思って、すごく頑張ったんだと思います」 笑顔でこなしていれば、そんなに負担に感じているようには思えないが、心の中にはずっともやもやしたものを抱えていたのではないかという。 「緊張が強い人はアルコールが必要なんです。一方、ギャンブル依存症になる人は、不眠になるほど緊張を抱えているわけではない。 けれど、心の中には思い出したくないことや、考えたくないことを抱えていて、イヤなことから意識をそむけて、だれにも気を使わない一人の世界がほしいと思っているのです」 そのようなとき、身近な人にギャンブルに誘われ、たまたまビギナーズラックで大金を手にしたら、ギャンブル依存症になる危険性が高まるという。 「ギャンブル依存症になる人は、自分が思い描いていた人生をたどれなかった可能性もあります。 今の生活に満足できていないときに、ギャンブルでうまくいくと、実生活で傷ついた自己評価を補うことができる。ギャンブル依存症の人は、自分の主たる生活の場面で絶好調じゃないことが多いです」 ◆依存症患者を減らすには母親の妊娠中からの支援が必要 人に頼れない、人を信頼できない“信頼障害”が“依存症”という病を引き起こしているのだから、無理やりやめさせても依存症を治すことはできないと小林医師は言う。覚せい剤使用で捕まえて刑務所に入れても、また手を出してしまうことが多いのは、そのためだとか。 依存症を治すには、なぜ依存症になってしまったかを周囲に理解してもらい、人との信頼関係を築けるようにならなければならない。 「多くの依存症は治るまで年単位のリハビリが必要になります。これまでの私の経験では、平均で5年前後。重症の人だったら、7~10年かかります」