松本まりか、SNSの長文投稿に込めた“24年分の思い”「私は簡単な言葉で片付けられない」
■「人は皆、抗えない運命を何かしら背負っている」 松本が演じているのは、その美ぼうと巧みなテクニックで数々の男を手玉に取ってきた結婚詐欺師の朝倉すみれ。悪事で荒稼ぎする男たちにターゲットを絞り、狙った「的」を決して逃さない“ミス・ターゲット”として暗躍するダークヒロインが、突然、結婚詐欺から足を洗って本気の婚活を始めると宣言。お金があれば幸せになれると考えているすみれと、お金がなくても幸せになれると考えている宗春。そんな反対の価値観を持つ2人が、不器用ながらにピュアに惹かれ合う様子が描かれている。これまでの打算的な疑似恋愛と本気の恋との違いに直面しながらも奮闘するすみれの姿は、チャーミング。松本は、視聴者に、すみれをどう受け取ってほしいと考えて演じているのだろうか。 「人は皆、抗えない運命を何かしら背負っていると思うんです。すみれは、その生い立ちや環境から、結婚詐欺をするしかなかったという運命をたどったわけですが、悪人だけをターゲットにしていたりと、彼女なりの正義感や“心の清潔”は汚されていないまま。悪環境の中でも、正しさを持って生きていれば、人はきっと魅力的に見えるし、幸せをつかめるようになる。すみれが皆さんにとって、大切なことに気付かせてくれる存在になれば」
■「何の武器も持たず真っ裸で勝負している、潔いドラマ」 数々の作品でインパクトを求められる役も多数演じてきた松本が演じる、ピュアなダークヒロイン。作品自体も、昨今では珍しいほどの王道ラブストーリーとなっているが、その魅力とは。 「本当にひねっていなくて、恥ずかしいほどに王道を貫いています。今の時代、視聴者の皆さんのドラマを見る感度が高くなっていて、世の中のエンタメとしては「普通じゃないもの、新しいものを作ろう」という流れがありますが、『ミス・ターゲット』は、往年のラブストーリーを貫くかのように、ド直球。でも、王道の作品だからこそ、普遍的に人の心を打つことができるんじゃないかと。時代が流れても五感が変わらないように、うれしいと思ったり、悲しいと思ったり、感動したりする心もまた、変わらないと思うんです。肩肘張らずに見られるドラマでありながら、知らないうちに泣いたり笑ったりできて、もはや一周回って“新しさ”さえ感じます。何の武器も持たず真っ裸で勝負している、潔いドラマです」