キオクシア、10月中の上場計画を見送り-ロイター
(ブルームバーグ): キオクシアホールディングスが10月に東京証券取引所に新規株式公開(IPO)する計画を撤回するとロイターが関係者の話として24日報じた。
ロイターの報道によると、半導体株の調整で上場時に目指していた時価総額に届かなかったという。
キオクシアは半導体メモリー市況の回復を受け上場を決め、まもなく東証から上場承認が得られるとの観測が浮上していた。上場すれば、調達額は5億ドル(約730億円)の規模となる可能性があるとブルームバーグは報道していた。
半導体業界は設備投資に多額の資金がかかる。キオクシアはIPOを通じて資金調達をする必要があるが、IPO計画を変更する事態になれば戦略を再考する必要が生じそうだ。
陣インベストメント・マネジメントのシニアポートフォリオマネージャー、ラファエル・ネメット ネジャット氏は、報道が事実であれば日本市場の問題というより、評価額をめぐる見解の不一致が関連している可能性が高いとコメント。
ネジャット氏は、キオクシアは再び上場を試みるはずだとした上で、日本のIPO市場は非常に健全だと評価した。
キオクシアの広報担当者は「適切な時期に向けてIPOの準備を進めている」とコメントした。ベインはコメントを控えた。
キオクシアは2020年にも東証から上場承認を得ていたが、メモリーの市況悪化や新型コロナウイルス感染再拡大への懸念などを総合的に勘案して延期していた。
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Yuki Furukawa, Aya Wagatsuma