中国新規銀行融資、10月5000億元に減少 景気対策でも需要伸びず
By Kevin Yao, Liz Lee [北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した10月の新規人民元建て融資は5000億元(695億1000万ドル)と、前月から大幅に減少し市場予想を下回った。景気刺激策は信用需要を押し上げるには至らなかった。 ロイターがまとめたエコノミスト予想は7000億元。前月は1兆5900億元、前年同月の7384億元だった。 華新証券のエコノミストは「収益性が低いため企業の資金調達需要は依然として弱い。中央銀行の最近の政策措置にもかかわらず、融資需要はすぐには回復しない可能性がある」と述べた。 人民銀は1─10月のデータにしか公表していないが、ロイターは1─9月分と比較して10月の数字を算出した。 1─10月の新規融資は16兆5200億元だった。 ロイターの算出によると、住宅ローンを含む家計融資は1600億元で9月の5000億元から減少、企業融資は1兆4900億元から1300億元に減少した。 OCBC銀行のアナリストは、計画されている債券発行を支援するため、中銀が11月か12月に銀行預金準備率を一段と引き下げると予想している。 人民銀はまた、国内のマネーサプライの実態をより良く反映させるため、マネーサプライ統計を調査し改訂すると発表した。 マネーサプライM2の前年比伸び率は7.5%と、アナリスト予想の6.9%を上回った。9月の6.8%から拡大した。 10月の元建て融資残高は前年比8.0%増。アナリストは前月の8.1%から横ばいと予想していた。 広義の与信・流動性を示す社会融資総量は1兆4000億元と、9月の3兆7600億元から減少した。アナリスト予想は1兆5500億元だった。前年比伸び率は7.8%と、9月の8.0%から縮小し過去最低を記録した。 中国人民銀行(中央銀行)は全国人民代表大会(全人代)常務委員会での総裁報告を挙げ、カウンターシクリカル調整を強化し、金融政策による支援を確認した。