ドコモ「出向しながら起業できる」社内制度がすごい 応募者急増のワケ
応募者は急増 2023年度だけで5社がスピンアウト
最初のステージである「COLLEGE」では、事業アイデアを考え、検証を重ねながら内容をブラッシュアップする。MBAのようなプログラムをドコモが用意し、開発方法、財務管理、マーケティング手法なども学んでもらうなどインプットが多い段階だ。 2つ目のステージ「CHALLENGE」では、逆にアプトプットが多くなる。メンターがつき、アドバイスを受けながら事業プランを磨いていく。実際に商品も作り、顧客のところに足を運び、フィードバックをもらう。中には「PMF」(Product Market Fit、サービスが市場に適切に受け入れてられている状態)まで行くケースもあるそうだ。 その後、資金調達のためにVCへの営業活動をする。支援してくれるVCが決まったらドコモの投資委員会にかけ、独立して良いかどうか諮問にかけられるという。副社長以下、財務、人事の幹部を交えて会議をし、スピンアウトさせてもいいかどうかを判断する。「成長した暁には、彼らは上場してもいいし、ドコモがそこを買収することも考えます」 この仕組み作りには、大きな効果があった。2023年のCOLLEGEとCHALLENGEには社員約1500人が参画。CHALLENGEでのアイデア数は573件。PMFに達したのは14件に及んだ。 「ドコモは過去20年で4、5社のスピンアウトがありました。それが2023年度だけで5社がスピンアウトしました。2024年分も4月から募集が始まりました。前年に相当数が出たので、あまりないかなと思ったのですが、実際には500件ほどありました。それを40件ぐらいまで絞り、2025年2月に最終コンペで発表してもらいます。コンペの内容でGROWTHに進むかどうかの判断がされます」 社内ベンチャーに応募する社員が増えた要因を聞くと「今までは、企業が成長しようがしまいが、給料が少し上がるくらいでした。しかし本当に上場できたら何億円、何十億円、何百億円という世界があり得ます。そこは全く違うと思います」と推察した。