ドコモ「出向しながら起業できる」社内制度がすごい 応募者急増のワケ
どんなタイプ会社がスピンアウトした?
スピンアウトした5社はどんな企業なのか。 「SUPERNOVAという会社は、生成AIを活用したサービス開発に取り組む会社です。スピンアウト当初は、LearningToonという漫画サービスから事業を始めました。生成AIを活用し、短時間かつ低コストで漫画を描けるのが特徴です。普通に会社の資料などを作成すると、一般の方々には読まれにくいので、(より読まれやすい)漫画を利用するのです。特に法人から引き合いが多く、例えば地域創生の取り組みや、会社のサービスを紹介するといった案件があります」 AIを使うことによって漫画を制作するコストは、3分の1程度になるという。「通常、漫画を作るコストは高いのですが、作成したシナリオを生成AIに読み込ませると、コマ割りやネーム形式のものがあがってきます。それを在籍している漫画家が、きれいに仕上げることで実現させました。クリエイターの労働環境は過酷な場合も多いので、その改善にも役立ちます」 SUPERNOVAは12月1日、生成AIサービス「Stella AITM」(ステラ・エーアイ)の提供も開始する。Stella AIは、1000種類を超えるテンプレートから、利用者自身の目的に合ったものを選ぶだけで最適な回答を生成できるなど、簡単なステップで利用できるようにした。加えてGemini、ChatGPT、Claude、tsuzumiなどの複数の最新AIモデルを搭載。用途や好みに合わせて各モデルの有料プランの範囲まで使用できる特徴があるという。 RePlayceという企業は、中高生に月3回のオンライン対話型プログラムを提供し、非認知能力や自己効力感を養うサービス「はたらく部」を作り出した。ヘアアイロンのシェアリングサービスを展開するReCuteは、百貨店やショッピングモール、オフィスビルの化粧室にヘアアイロンの貸し出しスポットを設置。その場で使って、返すサービスを手掛けている。 スピンアウトで大変なのは資金面だ。ドコモはグループ内にドコモベンチャーズという会社があり、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)とも連携しているという。 「私は以前ドコモベンチャーズのシリコンバレー支店長をしていたこともあり、CVCとVCどちらにも関係がありました。そこで、私たちからプロジェクトのトップらに対して、投資をしてもらえそうな会社の紹介や『このVCに当たったらいいんじゃないか?』というアドバイスもしています」