<ディズニー>日本のアニメに注力する理由 最高のストーリーテリングを世界へ
日本のアニメは独自の進化を遂げてきた歴史があるが、ディズニーの“アニメーション”との共通点、また違いをどのように考えているのだろうか?
「共通点は、本当にシンプルなのですが、作品の根幹はストーリーテリングだと思っています。主人公が目標に向かい、困難に打ち勝ち、立ち向かっていく……というような感動的なストーリーテリングは、普遍的で、突き詰めるべき一番大事なものです。違っている点と言いますか、日本のアニメの特異性は大きく二つあると考えています。一つは、原作となり得る市場の成熟です。昔からマンガや小説、ゲームといったアニメ以外のジャンルが非常に発達していて、創造の源泉となるものが枯渇しない。それがアニメ業界にとっていい刺激になっているのが、年間300本以上を作り続けられるゆえんだと思います。もちろん海外にも素晴らしいものがたくさんありますが、より特異なのが原作市場の成熟です。もう一つは制作現場のユニークさです。日本のアニメ制作会社は、ほぼ同じ制作方法で作っています。協力プレーで一つの作品を作り上げることもあります。だから絶え間なく作り続けられる。海外もそういうところもあるのですが、日本はより特異性があると思います」
◇配信作品のセレクトの基準
「四畳半タイムマシンブルース」「東京リベンジャーズ」(聖夜決戦編、天竺編)」「天国大魔境」など数々の話題作を配信してきた。配信作品のセレクトの基準も気になるところだ。
「繰り返しになりますが、最高のストーリーテリングであることが第一のポイントです。決まったジャンル、作品性は考えていなくて、多様な方に見ていただいているサービスなので、特定のジャンルに絞っているわけではありません」
“独占配信”と聞くと、ユーザーにネガティブに捉えられてしまうこともあるかもしれない。ただ、ディズニープラスとしては、作品をより盛り上げるためにさまざまな施策を考えているという。