UFCフライ級ランカー平良達郎「日本大会で日本人初のUFC王者に」米、アジアからも注目
「超新星」と呼ばれるUFCフライ級13位の平良達郎(24=THE BLACKBELT JAPAN)が今、日本人初のUFC王座獲得に向けた最短距離にいると言っていい。15日(日本時間16日)、UFCファイトナイト・ラスベガス93大会で、同級5位アレックス・ペレス(32=米国)とメインイベント5分5回で激突。2回TKO勝利を収めた。試合はグラウンド勝負でバックを取った平良が、そのまま立ち上がったペレスに足を絡ませながら裸絞めで倒して右膝負傷に追い込んだ展開だった。 【写真】アレックス・ペレス戦後、インタビューに応じる平良達郎 試合後の会見で、平良は「メインイベンターとして、ここ(ラスベガス)に来て自分自身、気合は入っていた。彼を倒そうと5ラウンドを戦うつもりだった。(ペレスの)ケガは残念。(負傷は)気づかなかった。バックポジションから仕留める練習を結構、していた。フィニッシュしようとしたら相手が悲鳴を上げたという感じ」と振り返った。結果は相手負傷の決着だったものの、試合続行になったとしても確実に仕留める自信があったことを強調した。 無傷のプロ16連勝を挙げた。UFC6連勝は水垣偉弥を抜く日本人最多連勝記録だった。UFCでの日本人メインは17年9月、岡見勇信が日本大会で務めて以来、約6年9カ月ぶり。日本人のメイン勝利は10年11月、ネイサン・マーコート(米国)に勝った岡見以来、約13年7カ月ぶりの快挙でもあった。フライ級ランク5位に勝ったことで上位にランクアップすることも確実となる。平良は「早くランキングの更新を見たい。エキサイティング!」と待ち構えた。 他の上位ランカーの動向次第では、年内にフライ級王者アレクサンドル・パントーハ(34=ブラジル)に挑戦できる可能性も残っている。もともと24~25年あたりでのUFC王座獲得を掲げてきただけに「パントーハに年内挑戦したい」と強い意欲を示した。17年9月以来となるUFC日本大会開催の実現も熱望し「日本人初のUFC王者が誕生する場所として日本大会がやれたらメチャメチャ最高です」と声をはずませた。 ペレス戦前には日本だけでなく、北米やアジアからの取材も多かったという。無敗ファイター、そしてUFC6連勝という戦績もあり、海外からの注目度も高い。誰も届かなかったUFC王座獲得、そしてUFC日本大会の復活-。今の平良達郎なら…と思わせる強さと勢いを十分に感じさせる存在になってきた。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)