変化球でバットを折った阪神の新助っ人ゴメスは本当に大丈夫か?
果たして阪神のゴメスは、戦力となるのだろうか。昨シーズンの後半から阪神の課題だった“ここ一番で点が取れない”という深刻な打線の課題は、まだ解消はされていない。去年との違いと言えば、もう新外国人のゴメスに頼るしかない状況となってしまった。そのゴメスの様子が気になって、この日、千葉で行われたロッテとのオープン戦を取材した。「4番・一塁」でスタメン出場したゴメスは、3打席立って1安打。6回、先頭打者として、三遊間への詰まった打球が内野安打となると、そのまま代走を送られベンチに退いた。 この日の3打席(三塁ゴロ、右飛、三遊間前の内野安打)を検証してみた。そこからは、いくつかの傾向と課題が見えてきた。 1. ストライクはすべて振る(ファーストストライクを打ちにいく) 2. ストライクは、ストレートでも変化球でも手を出す 3. カウントが浅いとボール球を見極めることができる(外、低めの変化球も含めて) 4. インサイドのボールに詰まる、もしくはファウルが多い 5. タイミングの取り方は柔らかい 6. 打撃フォームは前足重心で突っ込む癖がある ゴメスは、いわゆるフリーヒッターと言われるスタイルのバッターで、配球を読み狙ったボールを振りにいくのではなく、好球必打型。まだ、オープン戦であるとの理由からか、それが彼の本来の傾向なのかどうかはわからないが、今のところ、ストレートであろうと変化球であろうとファーストストライクから積極的に振りにいく。 ただ、打撃フォームが、軸足回転のスタイルではないため、どうしても、前へと突っ込んで、インサイドのボールに対して衝突気味になるシーンが目立つ。この日は、左腕の藤岡と2打席対戦したが、その傾向には変化はなかった。3打席目の内野安打では、右投手のアウトコースのカットボールにバットを折った。これも、突っ込む癖が、もたらした結果。上体が突っ込むと、必然、ボールとの距離が近くなり、こういった“詰まる”という現象が起こりやすい。 おそらくロッテのバッテリーは、わずか1打席で傾向を見抜いたのだろう。4回無死一、二塁でフルカウントとなってからも、ストレートを要求したキャッチャーは、内角に構えていた。結果、コントロールが甘くなったが“打たれてもファウル”という読みがあったのではないか。 ネット裏には、多くの他球団スコアラーが陣取っていたが、セ・リーグでは、特に弱点を見つけると、そこを徹底的に攻めてくる。ストライクを全部振りにくるのならば、どのコースのどの球種ならば大丈夫なのか。どのコースのどの球種なら危ないかを割り出して攻略の糸口を考えてくる。早打ちのバッターの料理は、お手の物だろう。