音楽イベントで“落雷”……テントも危ない? 地面を伝わる「地電流」か もしもの時の「雷しゃがみ」【#みんなのギモン】
■避雷針による「保護エリア」が3か所
森圭介アナウンサー 「会場には避難場所もあったということなんですよね?」 富田解説委員 「そこもポイントで、避難場所がどういう場所だったのか見ていきます。会場内には、避雷針による保護エリアが3つありました。避雷針があることで、そこを中心に雷が落ちにくくなる空間ができるというものです」 「今回このイベント用に避雷針を貸し出した会社に話を聞きました。一般的な避雷針は、雷を引き寄せてわざと落雷させることで、周囲に雷が落ちるのを防ぐ仕組みです。ただ今回使われたのは、逆に避雷針が一定の範囲をカバーして落ちにくくするタイプでした」 「今回の場合は、1つにつき直径200メートルをカバーして避難エリアを作り出していました」 河出奈都美アナウンサー 「では、そのエリアの中にいれば安全だったということなんでしょうか?」
■避難するため一旦テントに集合
富田解説委員 「はい、今回はこの中で避難していた人にケガ人は出ませんでした。その時の様子が分かる映像があります。避難エリアとみられる場所で、主催者側の呼びかけを受けて、観客たちが姿勢を低くしています。奥には、避雷針が1本立っているのが見えます」 「落雷でケガ人が出たのは、避難エリアの外側でした。木に雷が落ち、ケガをした人たちはその木のそばにあったテントの中に座っていました。避難をするために一旦テントに集合し、避難エリアに移動しようとした矢先に落雷があったということです」
■樹木などから飛び移る「側撃雷」とは
富田解説委員 「野球も屋外のスポーツですが、雷への対策は何か記憶にありますか?」 斎藤キャスター 「プロ野球の試合などでは近くに雷が落ちた時に、いったんタイム、中止にしてベンチやダグアウトに戻るようなことはありましたね」 富田解説委員 「とりあえず避難するということですね。雷が鳴っている時にやってはならないことは何だと思いますか?」 河出アナウンサー 「(今回は)雷が木に落ちたということで、木のそばにいるのは危ないんじゃないかなと思います。雨宿りしていたという人もいましたが…」 富田解説委員 「その通りです。知っている人も多いと思いますが、実験した映像があります。木のそばにマネキンを置いて落雷を発生させると、木からマネキンに向かって雷が飛んできました。樹木などから人体に雷が飛び移ることを『側撃雷』と言います」 「雷で死傷する事故の原因のほとんどが、この側撃雷です。ただ、落雷のメカニズムに詳しい防衛大学校の小林文明教授に聞くと、今回すぐそばの木に落雷があってケガをした人たちは、(原因は)側撃雷ではないとみられるといいます」