【PFF開催直前!入選監督対談】史上最年少14歳で入選、ひがし沙優監督×犬童一心監督
「映画」は新しいのか、アンティークなのか
犬童 僕が高校生の時に映画を作り始めたときは、自分のことを描く。それから、1977年から1978年っていう時代を映画の中に残すって、はっきり決めて作ったのね。どうしてかというと、わざわざ8ミリで映画作るんだったら、映画の中に自分がどういう時代に生きているかっていうことを描かないとダメだと思い込んでたのね。ひがしさんは自分で映画を撮るときに決めていたことはある? ひがし 今回の作品に関しては、他の人たちにどう思われても、自分たちが幸せだったり、それで良いなって思ったら、それで良いんじゃないか、というテーマにはしています。 犬童 この映画は、自分たちが住む世界とは別の世界や人がいることに気づくってことを描いているわけだよね。ひがしさんの普段の生活の中で、同じような気分があるのかな? ひがし 敵ってわけでもないんですけど、自分とは住む世界が違う人がいると感じることは、学校生活とかでもありますね。それが出てるのかな? 犬童 映画を作ったりしている自分とは違う人たちがいるってこと? ひがし ずっと編集してると、明るい人たちと自分は違うなって(笑)。対立っていうわけじゃないんですけど。 犬童 僕と一緒だね。学校から家へ帰ったら延々編集ばっかりしてたんだよ。他にそういう人は全然いなくて。でも、こうやって話してると、ひがしさんが明るい人たちとは別の場所にいるっていう感じには見えてないけどね。でも、それが映画に出てくる人間たちの感じになったんだね。 ひがし 『気分を変えて?』を観たら、今の映画と画質は違っても、作り方とかは今も同じなのかなって思いました。映画は変わらないなって。 犬童 僕は逆に、「映画」ってもの自体が、古い気がする。映画が誕生してから今に至るまで、色がついて音が入ったぐらいで、ほとんど変わってない。編集の仕方も新しい手法なんて実はそんなにないし。だから僕には、映画ってアンティークじゃないの?みたいな気分があるのね。そこが好きなんだけど(笑)。 ひがし 私は、新しいものを作るという気分の方が大きいかなって思ってます。