【PFF開催直前!入選監督対談】史上最年少14歳で入選、ひがし沙優監督×犬童一心監督
8ミリ映画とスマホ映画
――犬童監督は64歳、ひがし監督は14歳。50歳の年齢差があっても、同じように自主映画を撮ってPFFに入選したわけですが、当時と今では作り方に違いはありますか。 犬童 僕が高校生の頃は、8ミリフィルムで撮っているんだよね。撮ったものを現像所に出して、フィルムが現像されて帰って来るまで、ちゃんと撮れてるか分からない。ひがしさんは8ミリを触ったことないから言ってる意味分かんないかもしれない。 ひがし 現像はわかります。 犬童 現像するのに1週間ぐらいかかるのね。それに1本のフィルムで撮れるのが、大体3分。フィルムが千円するとして、現像も入れたら、2、3千円かかる。『正しい家族の付き合い方』はスマホで撮ってるんでしょう? ひがし はい、Androidを使ってます。編集もスマホでやってます。 犬童 スマホで撮るときに、三脚ってどうしているの? ひがし スマホを立てる安いスタンドみたいなものがあって、それでやってます。今回は父と私の出番が多かったので、そのときは母に撮ってもらいました。 犬童 そうか、人手が足りないときは、お母さんが撮ってくれるのか。お母さんが撮ってる画もちゃんとしてる。それから、すごく綺麗にライティングされてる。あれは何か照明をしているの? ひがし 100均で色んなライトを買ってきて、並べてます。 犬童 ちゃんと主役を良く見せるライティングになってたね。何日で撮ったの? ひがし 2週間ぐらいですね。1日1時間半から2時間ぐらい。学校が終わってから撮ってました。それで直ぐに編集して1回はめてみて、おかしかったら次の日にもう1回撮ろうみたいな感じでやってました。 犬童 うーん、うらやましいね(笑)。 ひがし ははは(笑)。 犬童 だって、それはポン・ジュノとか韓国映画の巨匠監督みたいな撮り方だよ。ひがしさんは笑顔で何でもないように言うけど、日本の映画の現場だと、それは出来ないからね。撮ったらそれでおしまい。編集でおかしいと思っても撮り直しなんて出来ない。だから、今はすごく恵まれた撮り方をしてるわけだよ。