【ヒマラヤ山脈を走るために生まれたヒマラヤで、ヒマラヤ山脈近郊を走る】ロイヤルエンフィールドのヒマラヤがフルモデルチェンジ!
インド製のバイクに乗るということ
この目でヒマラヤというバイクの源流を確かめ、見極め、確認できた僕は、とても幸せなのだと思う。この経験は何にも変えがたい。そんな試乗会を終え、インド北部の街からチャンディガールまで、7時間ほどかけて車で移動。都心に向かうに連れ、徐々に車やバイク、人も増えていく。まるで川のように交通の流れが自然と大きくなっていく。 数年前まで僕の中にもインド製のバイクという点に懸念があったのは確かだ。しかし、この交通の流れ、経済の成長、そしてロイヤルエンフィールド本社のメンバーと知り合い、試乗を繰り返すほどに、その懸念は先入観でしかなかったことがわかってくる。ロイヤルエンフィールドだけでなく、他にも様々なメーカーがインドでバイクを生産している。そして確実に品質を向上させている。 ロイヤルエンフィールドは、年間80万台以上のバイクを生産している。僕が深く関わるようになったのは2017年あたりからだが、新しいモデルが登場するたびに、品質の向上を実感。以前、本社を訪れた際に驚いたのは、日本人のコンサルにより“KAIZEN”という言葉が使われていたこと。また、信じられないほど大きな規模の工場の機器はすべてが新しく、その環境はすでに日本メーカーを凌駕していた。 そんなロイヤルエンフィールドの組織が大きく変わったのは、2015年。トライアンフで指揮を執っていたサイモン・ワーバートンさんの参画が大きい。サイモンさんは、イギリスとインドのテックセンターの組織作りを行い、ここ数年でイギリスのスタッフは4人から200名近くに、インドのスタッフは50人が250人近くになった。この急成長ぶりがしっかりと製品に反映されているのである。 サイモンさんに話を聞いた時に、印象的だった言葉がある。 「私たちがバイクを作る上で大切にしていることが3つあります。1つ目はバイクにストーリーがあること。わかりやすいのは、ヒマラヤの使われ方。ヒマラヤを走るにはどんなバイクが必要なのかということを真剣に考えました。2つ目は乗ってみたい/見てみたい/買ってみたいって思わせること。3つ目は買いやすい金額と、多くの人がすんなり乗れるものです。またがって違和感があったりしたらダメなんですよ」 僕はチャンディガールへ向かう車中で、サイモンさんのこの言葉を思い出した。ヒマラヤは進化したがバイク作りには一切のブレがない。 まだまだ日本ではマイナーなアドベンチャーであるヒマラヤ。ただインド北部でもっとも走っているバイクはヒマラヤなのだ。今回も1日に何台ものヒマラヤとすれ違った。NEWヒマラヤは、日本人、そして日本の道にもとてもマッチするアドベンチャーだと思う。 そうそう、2024年からは毎年夏に開催されている、ヒマラヤ山脈近郊を巡る『モト・ヒマラヤ』が、この新型ヒマラヤになるとのこと。いつかもう一度この旅に参加することを夢見て、僕はインドを後にした。 ◆トラックの荷台にたくさんの人が乗っているのは当たり前。インド北部でもっとも走っているバイクはヒマラヤだ。 ◆インドの各部で見かける赤/青/緑/黄/白の旗は、タルチョというチベット仏教の5色旗。 ◆3輪車やインド特有のトラックも多数。 ◆今回も道中で様々なロイヤルエンフィールドを見かけた。 ◆左はゴミのポイ捨ては禁止という看板。インドにはとにかくペットボトルをはじめとしたゴミが多い。川をゴミ箱だと思っている方も多く、実際に川にゴミを投げ込む悲しいシーンをたくさん見た。右は、この先急カーブなので注意という看板。その他にもホーンを鳴らせ、などたくさんの看板を見た。もちろんヒンディ語はわからないので、帰国してから初めて認識。 ◆どこからやってきのたかわからないバイクがたくさんある中、ヒマラヤは誕生のルーツがとても明確だ。 ◆ロイヤルエンフィールド初の水冷エンジンを搭載したNEWヒマラヤ。452ccの排気量は日本ではハードルが高いかもしれないが、唯一無二の存在として選ぶ価値はとても高い。ビッグアドベンチャーに疲れた方にもオススメ。
────────── ●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:高島秀吉 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
ミリオーレ編集部
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