努力を重ね続けられるキャプテンの決意。流通経済大柏高校・奈須琉世が携え直した“二冠”への覚悟 【NEXT TEENS FILE.】
その男は並々ならぬ勝利への意欲を燃やしていた。同じチームに2回も、しかも2週続けて負けるなんて、プライドが絶対に許さない。何が何でも勝つ。何が何でも倒す。自分にはピッチ上にも、ピッチ外にも、最高の仲間たちが付いているんだから。
「インターハイに負けた後は自分も悔しくて涙を流しましたし、チームメイトも本当に悔しがっていて、しばらく立ち直れなかったですけど、もう終わったことなので、今度はやり返すしかないなと。このまま引きずっていても、自分たちのレベルも上がっていかないですし、何が何でも勝ちを獲ろうという気持ちをチーム内で合わせて、この試合に向かってきました」
永遠のライバル・市立船橋高校と“2週連続”で公式戦を戦うことになった、流通経済大柏高校のキャプテン。奈須琉世は1週間前に突き付けられた悔しすぎる敗戦のリベンジを誓って、この日の戦場へと足を踏み入れた。
「初めて公式戦で負けたので、思いのほかダメージはありましたね」。榎本雅大監督がそう言及した試合は、夏の全国切符を懸けたインターハイ千葉県予選決勝。今季の流通経済大柏はプレミアリーグで開幕から8戦無敗。この予選でも3試合で7得点無失点と、圧倒的な結果で勝ち上がってきた。
だが、対照的にプレミアリーグではいまだ白星がなく、今予選も接戦を何とか制してきた市立船橋が、ファイナルでは意地を見せる。先制点を奪い、いったんは流通経済大柏も追い付いたものの、終盤に挙げた勝ち越しゴールを守り切り、2-1で勝利。千葉県の代表権を鮮やかにさらっていった。
日本一を目指していたインターハイの予期せぬ終焉。流通経済大柏の選手たちにショックが広がる。だが、彼らにはすぐに雪辱を果たす機会が用意されていた。決勝から1週間後。ホームで戦うプレミアリーグEAST第9節の対戦相手は、市立船橋だったのだ。
「2週連続で市船と試合できることはなかなかないですし、自分たちは『あそこで負けた悔しさを、ここで勝って晴らそう』とチームでも話していました。選手権でも後期のプレミアでも市船とやる機会はあるので、ここで1回叩かないといけないですから」と話した奈須を中心に、流通経済大柏の選手たちは改めてファイティングポーズを取り直す。
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