モデル岩堀せり「どんなに仲良くても努力は必要」母として、妻として結婚21年目で思うこと
プレッシャーを感じさせたくないから、子どもにこそ「願わない」ようにしたい
「大学生と高校生になり、我が家の子どもたちもそろそろ社会に出ていく年齢になりました。 ただ願うのは好きなことを見つけて、夢中になって欲しい。ただそれだけ。チャレンジしてみて嫌だったら、新しいことをすればいいんだよ、と思いますね。だって世の中って大変だから、なんでもかんでもスムーズにいくわけではない。人との関わりも含め、すべてひっくるめて必要以上に苦しまずに上手に生きて欲しいなと思います。それはなかなかに難しいことですけどね。 でも、今子どもたちに対して何かを『願う』ことを辞めようと心がけているんです。友達など他人には期待しないことが信条なんですが、子どもにはどうしても期待してしまうんです……。我が家は親が有名人ということで、それは想像以上に大変だろうなと思う。小さい頃から、ウィキペディアに誕生日が載っていて、どこに行っても親の話をされ、『将来は何になるの? ミュージシャン? モデル?』なんて聞かれ続けたら嫌になってしまいますよね。世間から、恵まれた環境で羨ましいという類の発言を聞くたびに、いいことももちろんあるだろうけど、そればかりでは決してないのに、悔しいなと思います。周囲の期待をずっと感じているだろうからこそ、せめて親からのプレッシャーは回避してあげたい。 ただ『人に期待しない』は簡単ですが、子どもには無意識にいろいろと願ってしまう。なかなか難しいですね」
夫婦関係に「当たり前」なんていうことはない
「私たち夫婦は、友達や後輩などから、よく夫婦関係についての相談を受けますが、我が家の場合はどんなことであれ、話し合うことが一番だと伝えています。コミュニケーションを取ることでどんな問題でもほぼほぼ解決する気がします。そして、結婚したからといって、お互いの存在は当たり前ではない。だからこそ常に思いやりを持って、相手を大切にして生きるということを大事にしています。 私には『死ぬまでこの人といる』という人生の目標があるんです。だから、そこに向かっての努力は欠かせません。自分の気持ちばかりを優先させていたら、相手のストレスが溜まって、いずれうまくいくものもうまくいかなくなってしまう。人生のゴールまでを逆算して考えて、この人を大事にしようと思うわけです。なぜなら、夫婦は一番近い他人だし、人の気持ちは変わるもの。『当たり前』なんてものは絶対にないと思います。 私達夫婦はすごく仲がいいし、ゆるぎない信頼関係があるけど、私のなかでは『絶対にずっと一緒に暮らしていこうね、なんて言っているけど将来どうなるかなんてわかんないよね?』みたいに思うことも。世の中『絶対』なんてことはないですからね、我ながら自分のことがとても面倒だなと思います(笑)。 いつでも、自分達は他とは違うから大丈夫だろうと思って行動するのではなく、好意を定期的に伝えることは大事なのかなと思います。言わなくてもきっとわかっているだろう、はないんです。気持ちは言葉にしないと伝わらない。話す、伝える、聞く、すべてのことをコミュニケーションとして考えています。好きの形は変わっていくけど、その熱量は変わらないどころか増加中。年を重ねていろいろな不安も増えるからこそ、どんどん存在が大切に思えてくる。私は寂しがり屋なので、将来一人で生きていきたくはない。常に誰かと支え合って、側に誰かにいてほしいから、相手を何よりも大事にしようという気持ちが大きいですね」 「夫婦の間で、『何をされたら一番嫌か』みたいなこともしょっちゅう話すんですが、以前その一つに『体型が大きく変わったら嫌かもしれない』と言われたことがありまして、それは心に残っています。もちろん年齢や体調によって、体重が多少増減することはあるけれど、一応私も緊張感を持って気をつけている。もしかしたらこのビジュアルが大きく崩れたら一気に好きの気持ちが冷めてしまうのではないか、と危機感を持っています。それに、彼もちゃんとかっこよくあろうとしてくれていると日々感じる。こういうことってどっちかだけが努力していたら続かないし、一人だと気持ち的にきついと思うんです。でもお互いが目標に向かって努力をしていると思えるから『なんで私ばっかり』とはならないんですよね。 『どうしたらそんな素敵な夫婦になれますか?』と聞かれることがありますけど、たまたまお互いが、相手に寄り添いたいと思う人間だっただけ。もちろん、相性が良いとかいろいろあるとは思いますけど、何もせずに今の関係を築き上げたわけではありません。恋人時代からずっと、好きでいてもらうために緊張感を持っているし、ずっと努力はしています。 夫から、『これを直して欲しい』なんてことは何も言われないけど、自分で気づいて焦ることはたくさんあります。これは職業柄もあるとは思いますが、お家でくつろいでいるときに、彼が素敵な格好をしていれば、『しまった! 私だらしない!』と思っておしゃれな服に着替えるとかね。でも、なんでも見せ合えるようなリラックスした関係を望む人もいるし、それがゴールのカップルもいると思うんです。それぞれいろんな良い関係があると思うから、それぞれの理想の夫婦の形があるなら、それに向けて努力するのがいいんじゃないかなと思います。もちろん、夫婦の理想だってぴったりあうことはない。でも、そのズレを日々のコミュニケーションで少しずつ近づけていくことが大事。常に会話をしていれば、お互いが理解して、細かく調整し合える。私達はそういうことが大切だと、お互いに認識してるんだと思います」