史上最高値を更新し続ける「金(ゴールド)」、米国利下げで一段高?
8月20日のNY金先物市場で12月限は1トロイオンス=2550.6ドルとなり、3日続伸し、3営業日連続で史上最高値を更新した。金価格は2023年10月に2000ドルの大台に乗せてから、緩やかな右肩上がりの動きを続けている。昨年末に2071ドルだった価格は、3月に2100ドル台に乗せ、5月に2400ドル台、そして、8月には2500ドル台になった。この8月20日までの上昇率では、米国株「S&P500」を上回る。9月に米国が利下げを実行すれば、金価格は一段と上昇するという見方が有力だ。株価が高値波乱となる中で、株価の動きとは関係なく動く金に投資することも1つの方法だ。
2024年の年初からの動きを振り返ると、3月までは日本株(日経平均株価)の上昇が目立った。2023年に24%超値上がりした米国株(S&P500)に対し、出遅れが指摘されていた日本株が、その出遅れを取り戻すような動きになっていた。2月22日には日経平均株価は3万9000円の大台に乗せ、1989年のバブル期に記録していた史上最高値を34年ぶりに更新した。そして、7月11日にピークを付けるまで、日本株は米国株を上回るパフォーマンスを続けていた。7月11日時点では年初からの値上がり率は26.18%に達し、米国株の今年の高値(7月16日)までの上昇率18.81%を上回った。
ところが、7月末に日銀が追加利上げに踏み切ると、日本株は急落。8月6日には昨年末比5.99%安の水準に下落した。この日本株の急落と比較すると米国株の下落率は小さかった。日米株価は、8月6日をボトムに上昇するが、8月20日時点の年初来の上昇率では、日本株は13.74%で、米国株の17.34%に劣っている。
このような日米の株価の動向とは関係なく、金価格は緩やかに上昇し続けている。年初から2月末までは前年末比でマイナス圏に沈んでいる期間だったので、この間は株価とのパフォーマンス格差が大きく広がったが、3月からの金価格の上昇スピードは速く、また、8月上旬の株価急落の影響も小さかったため、8月20日時点では年初からの上昇率は23.11%となり、日米の株式よりも高いリターンを残している。