三原市の産廃処分場に埋め立て中止などを指導 広島県、昨年に続き2回目 基準の1・8倍の鉛検出
広島県三原市本郷町南方の民間の産業廃棄物最終処分場について、広島県は14日、処分場から染み出た水から法定の水質基準の最大1・8倍の鉛を検出したとの結果を明らかにした。県は管理者のJAB協同組合(東京)に産廃の搬入と埋め立てを中止するよう行政指導した。組合への行政指導の勧告は7日付で昨年に続いて2回目。 【地図】三原市の産廃処分場 県産業廃棄物対策課によると、県は処分場内を通過した浸透水と地下水を7月24日に計3カ所で採取。処分場の北東部と北西部の浸透水の鉛が1リットル当たり0・018ミリグラムと0・017ミリグラムとなり、廃棄物処理法の基準値(0・01ミリグラム)を上回った。 組合は県の勧告を受け、今月11日から産廃の搬入を停止した。県は今後、組合の改善措置を確認し、再検査で基準値を下回れば搬入再開を認めるという。 県は昨年6月、処分場から出た水が基準値を上回ったとして組合に勧告を出した。さらに同7月、組合が勧告後も産廃の搬入や埋め立てを続けたとして、行政指導で最も重い警告を出した。 処分場を巡っては、三原市と竹原市の住民が県に設置許可の取り消しを求めた訴訟の控訴審が広島高裁で係争中。昨年7月の一審広島地裁判決は県の審査や判断過程に「看過しがたい過誤、欠落がある」などとして設置許可を取り消した。
中国新聞社