「初音ミク」コスプレシンガー麻倉ケイト 14回連続出演の大学祭へ潜入
「初音ミク」コスプレシンガー麻倉ケイト 14回連続出演の大学祭へ潜入 撮影:北代靖典
大学祭の時期だ。どの大学も年に一度のイベントらしく、俳優やら歌手やらお笑い芸人をゲストに迎えて盛り上がりを見せている。そんな中、「滋賀医科大学」(滋賀県大津市)では、初音ミクコスプレシンガーの麻倉ケイトが今年で14回目の出演を果たした。14年連続でステージに立つのは極めて珍しく、いったいどんな大学祭か、潜入してみた。 【拡大写真付き】性同一性障害乗り越え 歌手・麻倉ケイトの生き方
学祭ではみんな弾けたい
講演会や有名人のトークショー、学生によるステージなど、どの大学もそれぞれ特徴があるが、同大学の「若鮎祭」(10月29・30両日)は今年で42回目を迎え、ますますヒートアップした。 「第1回目から受け継がれている若鮎祭のエッセンスを引き継ぎ、いろいろ制約もありますが、新たに自分たちの色を加えて一層素晴らしいものにしたいと思いました。今年度のテーマは『猪突猛進』です。困難な問題に対して正面から立ち向かい解決していくことは、将来、医療人になる我々にとって大事なことだという思いが込められています」と、同大学若鮎祭実行委員会委員長の竹島潤さん。同じく、実行委員でステージ局交渉班長の岡野茉由さんはこういう。 「普段は弾ける機会がなく、学祭ではみんな弾けたいと思っていますし、内容は学生たちが研究してやっています。夏が過ぎると、頻繁に集まって、出し物の内容とかを決めていきます。みんなで盛り上がるのは好きですね。ケイトさんは毎年来て下さっているので、振り付けも覚えています。医科大学なので、性同一性障害についても勉強しています」
7回目の若鮎祭でカミングアウト
滋賀医大生の公認アイドルでもある麻倉ケイトは、身体は男性、心は女性という「性同一性障害」に気づきながらも、本心を隠し、2002年から男性歌手として活動。03年、第6回上海アジア音楽祭で優秀新人賞を受賞。09年にカミングアウト。 「実は7回目の若鮎祭でみんなの前でカミングアウトしたんです」(麻倉ケイト)と言い、同大学とは関係が深い。 今や「初音ミク」のコスプレシンガーとして注目を浴び、「初音ミクのリアルは存在しませんが、初音ミクコスプレシンガーとして唯一、(クリプトンから)公認されました。世界でただ1人です」という。今年2月には、ラオスにて日本大使館主催の「Cool&Kawaii Japan」にもゲスト出演し、活動の場を海外にも広げている。