アストンF1のアップデート、ドライビングが『難しく』なる副作用? 苦戦週末経てチーム代表認める
F1エミリア・ロマーニャGPでアップデートを投入したアストンマーティン。しかし混乱した週末に終わった彼らは、アップデートがマシンのドライビングを難しくした可能性を認めた。 F1メカ解説|ライバルのフェラーリが投入した大型アップデート アストンマーティンがイモラでマシンに搭載したアップデートはフロアからフロントウイング、ディフューザーなど大規模なものだった。FP1でフェルナンド・アロンソが最初に使用して比較テストを行ない、FP2からはランス・ストロールも新パッケージで走行した。 ただアストンマーティンのアップデートは、パフォーマンス面でチームに前進をもたらしたかもしれないものの、他チームもアップデートを投入した結果、相対的な競争力の面では大きな前進とはならなかった可能性がある。 アロンソはFP3でクラッシュを喫し、なんとか修復を予選に間に合わせたもののQ1で敗退。ストロールもQ2で敗退という結果に終わった。 決勝ではピットレーンスタートとなったアロンソは、ポイント争いには絡めず、このレースをテストとして扱うことに。ストロールはポジションを上げて入賞したが、9位に留まった。 エミリア・ロマーニャGPの終了後、チームのクラック代表はアップデートの効果について、マシンが若干速くなったものの、副作用としてドライビングが難しくなった可能性があることが分かったと話した。 「イモラでは、我々のスタート位置だと難しくなる」 「我々は2ポイントを獲得したが、かなり良い結果だったと思う。これは我々のクルマがまだポテンシャルを持っているということを示している」 「ただドライビングが難しいことも分かった。我々としてはこの週末に何度かコースを外れてしまったが、実際のところ1番影響が大きかったのは昨日(予選)だ。そこから、我々は本当に後手に回ってしまった」 「もっと学びたかった。だからこそ、我々は(アロンソを)ピットレーンからスタートさせることを決め、(ドライビングを)もっと楽にできるかどうかを確かめるためにクルマに変更を加えていたんだ。もっと上手くやりたいと思っていたが、前日の出来事によって少し妥協することもあった」 なお予選後にストロールはアストンマーティンのイモラにおけるアップデートに対して、直接のライバルたちに追いつくには不十分なペースだったと指摘した。 そのためアストンマーティンはトップ4(レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、メルセデス)からさらに後れを取ってしまう危険と、パフォーマンスを上げているコンストラクターズランキング6番手のRBに追いつかれる可能性にさらされている。 クラック代表はこうした懸念に対し、イモラ戦で結論を急がないように注意しているといい、次戦モナコGP、そしてカナダGPで異なる状況となる可能性があると語った。ただ、さらなるアップデートを早急に投じる必要があることは認めた。 「2ポイントに満足していないことは明らかだ」とクラック代表は言う。 「しかし他のライバルたちもアップデートを投入してきているため、これは常に相対的なゲームになる」 「タフなことだし、我々はそれを過小評価すべきではない。1チームを除いて、たくさんのアップデートのリストを皆が持っていると思う。そのことが、この争いがどれだけ激しいものかを示している」 「我々もプッシュし続けて、もっと多くのモノを持ち込む必要があるんだ」
Filip Cleeren