「俺は湯沢副市長、あばよ総務省」エリート副市長が今年もラップ熱唱
秋田県湯沢市で、総務省から出向したエリート副市長がラップを熱唱する動画が8日、YouTubeで公開された。ラップは、今月開催されるイベントのPR動画として制作されたもので、副市長が出演するのは去年に続いて2回め。副市長の執務室で「ストリート系」ファッションに変身していきなり歌い出す姿に、昨年は大きな話題を呼んだ。今年は、ついに市長まで登場した「ラップ動画」について、湯沢市副市長に取材した。
総務省から来たキャリア副市長
スーツ姿で市役所庁舎に入る副市長。音楽とともにストリート系ファッションに変身し、歌い出す。「俺は茨城生まれ、湯沢副市長。あばよ総務省。イエッセッショー」。昨年公開された第3回湯沢ストリート村のPR動画の冒頭だ。 ラップを披露したのは、総務省から秋田県湯沢市副市長に出向している藤井延之さん(34)。東京大学法学部を卒業し、アメリカ留学も経験したキャリア官僚だ。昨年4月に着任すると、気さくな人柄で街になじんた。
若者がラジカセを持って副市長室にやって来た
その頃、ヒップホップやストリートダンスなどで湯沢を盛り上げるイベント「湯沢ストリート村」実行委員長の藤田一平さん(32)は、イベントをどうにか盛り上げる方法を探していたという。「若い副市長だから、興味を持った」という藤田さんは、早速藤井副市長に面会を求める。着任地の若者との交流を楽しみにしていた藤井副市長だが、副市長室に大きなラジカセを持って入室してきた藤田さんに「ギョッとした」という。副市長と面会し、藤田さんは、副市長にイベントのPRラップを歌ってもらうことを思いついた。 ラップは初めてだったという藤井副市長。出演依頼を嬉しく思い引き受けた。市役所内から反対はなかったのだろうか。「慎重論は出なかったですね。みんな変化を待ち望んでいたのだと思います。」副市長は多忙な公務の合間に、デモ音源を聞きながら練習していたという。
「副市長ラップ」で、広く市民に親しまれるイベントに
昨年6月の動画公開後、インターネット上を中心に大きな反響があった。「公務で新たに会う人に『ラップ見ましたよ』と声をかけられるようになった」と藤井副市長。「湯沢ストリート村」のイベントも、ヒップホップファンを中心としたイベントだったのが、街の人々に広く認知されるようになったという。 今年も7月22日から24日に、「第4回湯沢ストリート村」は開催される。今年は、イベントも副市長ラップもグレードアップした。今年から、会場を「道の駅おがち」の隣に新たに整備された小町の郷公園に移し、入場無料となった。「3000人は集めたい」と藤田さんは息巻く。22日夜には副市長もライブ出演する。