タワマン、続く建設ラッシュ 1年間で48棟完成 修繕費増を懸念し新築を規制する自治体も
政府は同法を改正し、集会の出席者だけの多数決で決議できるようにする方針。来年の通常国会へ改正法案を提出し、成立を目指す。
■異なる管理組合の情報共有を ニッセイ基礎研・渡辺布味子准主任研究員
タワーマンションの課題の一つが、住民が多いといった理由で必要な決議が進まないことだ。政府は管理組合の多数決の要件を緩くしようとしている。方向性は良いといえるが、不要な修繕でも簡単に決められるようになればコストがかさむので注意が必要だ。
たとえば本当に必要な修繕を見極められるようになるため、違うマンションの管理組合同士が互いに先行事例を共有するべきだ。自治体にはそれを支援する取り組みもあり、周知することも必要になるだろう。
タワマンは巨大なだけに、修繕や維持の費用が膨らむやすい。たとえば大規模な修繕工事では外壁のタイルの交換が必要で、細かい検査が必要だが、通常のマンションより手間がかかる。
エレベーター、駐車場などの共同設備も多い。複数の店舗が入っているケースもあり、営業に支障が出ないよう配慮しながら修繕を進めるため工期が長くなりがちだ。
修繕費が初めの想定以上に膨らむ可能性もあり、若いとき入居し高齢になった住民の中からは、支払うのが難しくなる人も出てくるだろう。(聞き手 山口暢彦)