自動運転バス、レベル2実証実験開始 長井・市民が乗車、感想寄せる
県内初の自動運転バスの導入を目指す長井市は21日、市中心部で市民を乗せる実証実験を開始した。一部で運転手がブレーキを操作したものの、ハンドルやアクセルはほぼ自動で走行した。乗車した市民から「安心して乗れた」「雪道の走行も検証してほしい」との声が聞かれた。 自動運転は全5段階あるうちの「レベル2」で、実証実験は運転手の監視下で行い、緊急時などは人が操作する。バスにはカメラやセンサー、衛星利用測位システム(GPS)が搭載され、周囲の障害物や車体位置を認識できる。市遊びと学びの交流施設「くるんと」を発着点に、フラワー長井線長井駅、道の駅「川のみなと長井」、市民文化会館を結ぶ1周3.5キロを30分弱で回る。 この日、車内ではスタッフが自動運転の仕組みを説明。搭載したプログラムは現時点で縦型の信号機の認識ができないため、交差点では運転手がブレーキ操作をした。乗客はアンケート用紙に感想を書いた。長井市九野本、会社員高坂浩幸さん(53)は「良い乗り心地だった。雪道でも安全に走れるか、検証を重ねてほしい」と話した。
実証実験は来年1月24日までの年末年始を除く水~日曜に行う。1日6便運行し、運賃無料で定員8人。市はデータ収集を重ね、2027年度にも特定の条件下での無人運転「レベル4」での本格運行を目指す。市担当者は「多くの人に乗ってもらい、感想や意見を生かしたい」と話した。